2023.12.07 2023.12.07
ハクビシンは病原菌を持つ害獣で、病気を移される危険があります。しかも、病気のリスクは人間だけでなく、ペットに及ぶ可能性も。
そのため、ハクビシンが家にいるときは、早急に追い出し、寄せ付けない対策が必須です。
本記事では、ハクビシンから移る可能性がある病気を解説。また、病気が移ってしまうNG行動、悪い菌をもらわないための対策についても紹介していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
ハクビシンから感染する病気8選!病原菌と併せてチェック
ハクビシンから感染する可能性がある病気は多く、以下の8つが代表的です。
- SARS
- サルモネラ菌
- 疥癬
- カンピロバクター
- エルシニア菌
- イヌジステンパー
- ノミ・ダニによるアレルギー
- SFTS
具体的にどういった病気なのか、詳しく解説していきます。
①SARS
世界的な感染拡大を引き起こしたSARS(重症急性呼吸器症候群)ですが、ハクビシンの糞からSARSと似たコロナウイルスが検出されたことから、ハクビシンが感染源であるとの見方が出されました。
しかし、ハクビシンがSARSの感染拡大に直接関与したかどうかについては、まだ明確な研究結果が出ていません。とはいえ、ハクビシンが多くの病原体を保有していることは事実であり、不用意な接触はさまざまな病気を引き起こす可能性があります。
仮にSARSの病原菌をハクビシンが保有しており、人間が菌をもらった場合、以下の症状が発症する可能性があります。
- 38℃以上の発熱
- 悪寒
- 筋肉痛
- 乾燥咳
- 頭痛
- 喀痰
- 下痢
インフルエンザの症状に似ているのが特徴です。このような症状が現れた場合は、迅速な医療対応が必要となるでしょう。
②サルモネラ菌
ハクビシンがサルモネラ菌を保菌している可能性は高く、感染すると食中毒になることが考えられます。サルモネラ菌は少量でも食中毒を引き起こすため、注意が必要です。
免疫力が強い人の場合、サルモネラ菌に感染しても症状が発症しないことがありますが、誰かが感染すれば人から人へ次々と移していく場合もあります。サルモネラ菌の主な症状は以下の通りです。
- 吐き気
- 腹痛
- 38℃前後の発熱
- 下痢
潜伏期間は6〜72時間とされており、長期間にわたって保菌者となることもあります。
そのため、ハクビシンの糞を直接触れることは避け、処理後は確実に消毒と殺菌処理を行いましょう。
③疥癬
疥癬は、ハクビシンの毛に付着しているヒゼンダニが原因で引き起こされる皮膚の感染症で、人やペットに感染する危険性があります。ハクビシンは高確率で疥癬症の病気にかかっており、ヒゼンダニが人間やペットの皮膚に寄生すると、以下の症状が発症が現れます。
- 水ぶくれ
- 強いかゆみ
- ブツブツとした出来物
- 腹部や胸部、太ももの内部などに激しい痒み
疥癬は直接ハクビシンに触れなくても、糞や毛がある場所に接触するだけで感染するリスクがあります。従って、ハクビシンが生息している可能性のある場所で、駆除や対策を行う場合は保護具を装備しましょう。
また、疥癬の症状が見られた場合は、速やかに医療機関での診断と治療を受けることが重要です。
④カンピロバクター
カンピロバクターは、水や食料が汚染されることによって感染する細菌です。ハクビシンとの接触を通じて人間に感染するリスクがあります。カンピロバクターによる症状は、以下の通りです。
- 腹痛
- 下痢
- 嘔吐
- 発熱
- 場合によっては血便
感染した人の多くは、通常2~5日程度で回復するものの、再発の可能性もあるためすぐに安心はできません。
⑤エルシニア菌
エルシニア菌は、豚、犬、猫などの動物の腸内や、自然環境中に生息している細菌です。
ハクビシンとエルシニア菌の関連性については、ハクビシンの糞に含まれるエルシニア菌が、日本の気候に適しているため、屋根裏などで増殖する可能性があると指摘されています。
エルシニア菌による感染症の症状は、以下が代表的です。
- 腹痛
- 嘔気や嘔吐
特に右下腹部痛を伴い、虫垂炎や終末回腸炎、腸間膜リンパ節炎などと誤診されることもあります。
⑥イヌジステンパー
イヌジステンパーは、感染力が強く致死性の高い病気で、イヌ科やイタチ科、アライグマ科などの動物に感染します。ハクビシンも感染する動物の一つであり、イヌジステンパーの媒介者となる可能性があります。
イヌジステンパーウイルスに感染した際は、以下の症状が発症する可能性があります。
- 高熱
- 嘔吐
- 下痢
- 血便
- 結膜炎
犬や野生動物との接触、または感染した犬の咳やくしゃみによって、空気中に飛散したウイルスを吸い込むことで感染します。
人間への感染は少ないものの、抵抗力が低い子犬などには重篤な影響を及ぼすことがあり、最悪の場合には死に至ることも。ハクビシンとペットが接触しないよう、適切な予防措置を講じることが大切です。
⑦ノミ・ダニによるアレルギー
ハクビシンは、自身に寄生するノミやダニを通じ、人間やペットにアレルギーや皮膚疾患を感染させることがあります。感染経路としては、ハクビシンが好んで隠れる天井裏や屋根裏から、寄生虫が部屋の中に侵入し、人間やペットが刺される流れとなります。
病気の症状としては、以下の3つが代表的です。
- ノミやダニによるアレルギー反応
- 激しいかゆみ
- 睡眠障害
ハクビシンの糞尿に由来するダニが、アレルギーの原因となることもあり、糞尿の早期除去が重要となります。
さらに、ダニの死骸や糞もアレルゲンとなり、気管に入ることで喘息を引き起こす、皮膚に吸収されることでアトピー性皮膚炎を引き起こすリスクが高まります。
⑧SFTS
ハクビシンに付着した「マダニ」に噛まれることで、SFTS(重症熱性血小板減少症)と呼ばれる感染症になる可能性があります。SFTSは6日から14日の潜伏期間を経て、以下の症状を発症します。
- 発熱
- 食欲低下
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
マダニに噛まれた場合、すみやかに最寄りの皮膚科や外科を受診し、適切な処置を受けることが重要です。自力でマダニを除去しようとすると、マダニの体の一部が皮膚に残ってしまう恐れがあり、後に炎症や感染症を引き起こす原因となってしまいます。
ハクビシンから病気が感染するNG行動3選【高リスク!】
さまざまな病気・感染症を媒介するハクビシンですが、以下の行動は病気の感染リスクを高めるでしょう。
・糞/尿の放置
・巣/糞尿/形跡を素手で始末する
・ハクビシンに触れる
これらの行動を避けることで、ハクビシンが媒介する病気から家族やペットを守ることができます。
糞/尿の放置
まず、ハクビシンの糞や尿を放置することは絶対にNGです。糞尿にはさまざまな病原体が含まれており、乾燥することで空気中に拡散し、人間に感染するリスクがあります。
また、糞尿が庭や屋外に放置されることで、土壌が汚染されることもあります。そのため、糞尿を見つけた場合は速やかに処理し、適切な消毒処理を行うことが重要です。
巣/糞尿/形跡を素手で始末する
次に、ハクビシンの巣や糞尿、その他の形跡を素手で始末することも避けましょう。素手で触れることで、直接的に病原体に触れるリスクがあり、皮膚や手、口から感染することがあります。
このため、ハクビシンの巣や糞尿を始末する際は、手袋やマスク、長袖長ズボンなど適切な保護具を着用してください。
ハクビシンに触れる
ハクビシン本体に直接触れることもNGです。これまでの解説通り、ハクビシンが持つ寄生虫や病原体によって、人間やペットに感染症を引き起こす可能性があります。
特に子どもやペットがハクビシンに触れることを防ぐため、少しでもハクビシンが生息している疑いがある場合は、早急に駆除対策しましょう。
ハクビシンから病気をもらわない対策は?
ハクビシンから病気をもらわないための対策として、以下3点のポイントを押さえましょう。
・早急にハクビシンを追い出す
・ハクビシンの形跡を正しい方法で処理する
・ハクビシンを侵入させない
これらの対策を講じることで、ハクビシンから病気をもらうリスクを抑えることができます。詳しく見ていきましょう。
早急にハクビシンを追い出す
ハクビシンが家や庭に侵入した場合、すぐに追い出すことが重要です。ハクビシンは病原体を運ぶ可能性があり、特にハクビシンがする糞尿はさまざまな病原体が含まれている可能性があるためです。
追い出す方法としては、忌避剤の使用、ハクビシンが棲みつきにくい環境にすることが挙げられます。また、プロの害獣駆除業者に相談することが確実な方法だと言えます。
さらに詳しく知りたい方はこちら
ハクビシン対策は弱点を突くべし!【屋根裏や庭・畑被害もこれでバッチリ】
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ハクビシンの形跡を正しい方法で処理する
ハクビシンが残した巣や糞尿は、適切な方法で処理する必要があります。
糞尿の処理は感染リスクがあるため、ゴム手袋やマスクを着用するなどして、直接的な接触を避けることが重要です。
糞尿の除去後は、その場所を消毒することで、病原体の拡散を防げます。
ハクビシンを侵入させない
ハクビシンが家に侵入するのを防ぐためには、家の周囲の穴や隙間を塞ぐしかありません。例えば、配管や換気口、家の劣化部分に適切なサイズの金網を取り付けるなどして、ハクビシンが侵入できないようにします。
また、ハクビシンが食料を求めて近づくことを防ぐために、食べ物の残骸やゴミは適切に管理し、屋外に露出させないようにすることも大切です。
ハクビシンから病気をもらわずに駆除するには
ハクビシンから移される病気は多く、また危険性が高いことがお分かりいただけたでしょうか。ハクビシンや、糞尿を放置することで、人間はもちろん、ペットも同様に病気にかかる可能性があります。
ハクビシン対策を自力で行うのはリスクが高いため、プロの駆除業者への依頼がおすすめです。駆除業者に依頼することで、病気に感染するリスクなくハクビシンを駆除できますよ。
ハクビシンは病気を移すって本当?【菌の種類とリスク〜対策まで徹底解説】のよくある質問
-
Q. ハクビシンに噛まれたら?
A.ハクビシンに噛まれたら、傷口を早急に洗浄・消毒・殺菌したのち、病院で診てもらいしましょう。
-
Q. ハクビシンの形跡や糞尿に触れてしまった場合は?
A.消毒・殺菌は確実に行い、体に異変を感じたら医療機関で受診しましょう。
-
Q. ハクビシンに近づくと病気に感染する?
A.必ず感染するわけではありませんが、感染する可能性はあります。
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