店舗移転時の流れや費用は?閉店〜新店舗開店の総額も【テナント貸店舗対応】
2024.02.07 2024.11.20
この記事では、店舗移転の流れから費用の目安、移転先探しのポイントまで徹底解説していきます。
とくに初めて店舗の引っ越しをする事業者は、
「どこから手をつけるべき?」「移転時に必須の手続きなどはある?」
「費用はどのくらいで見積もっておけばいい?」
などと不安だらけかもしれません。
住まいの引っ越しと比べても、「費用や流れ」など何もかも異なる店舗移転。店舗やテナントの移転を検討されている事業者様は、ぜひ参考にしてください。
目次
店舗移転の主な理由【物件・テナント決めの最重要ポイント】
店舗の移転は、お店の状況によって理由が異なります。主な理由として、以下の3つがあります。
- 集客改善のため
- 売上の拡大を図るため
- コストダウンのため
もし今店舗移転を検討しているなら、自身の店舗移転がどの理由に当てはまるのか考えてみましょう。いずれにもあてはまらないのであれば、まだ移転を検討すべきではないかもしれません。
以下、店舗移転の狙いそれぞれについて解説しますので、どの理由が一番近いかどうか照らし合わせながら読み進めてみてください。
集客改善のため
好立地への店舗移転は集客改善につながります。業種にもよりますが、集客のしやすさは店舗の立地によって大きく変わるからです。
たとえば駅から徒歩で数分かかる場所よりも、駅前や駅直結の店舗であった方が確実に集客しやすくなります。
また、現時点で行列ができていたり予約がいっぱいで失客につながっている場合も、より広い店舗へ移転すべきです。「立地が理由で集客しづらい」「立地が理由で失客につながっている」などといったことを強く感じていたり、データにも表れているなら、店舗移転をおすすめします。
売上の拡大を図るため
現在の店舗で売上が好調なのであれば、さらに売上の拡大を図るために店舗の移転を計画するケースもあるでしょう。業種にもよりますが、一般的には広い店舗へ移転することでより多くの顧客を呼び込めるからです。
とくに現在狭い店舗で運営しているのであれば、多くの見込み顧客を逃している可能性が高いです。より多くの席数を確保できる店舗にすれば、これまで逃していた顧客も呼び込めます。
また、現在カウンター席のみならば家族向けのテーブル席のる店舗に移転するなども良いでしょう。上記のように現在の状況で売上の限界が見えてしまっているのであれば、店舗移転はおすすめです。
コストダウンのため
店舗の売上が下がっている際にも、店舗移転はおすすめです。今よりも店舗を縮小したり、賃料の安い立地に移れれば、手軽で効果の大きいコストダウンにつながるからです。
顧客が少ないなかで大きな店舗や立地の良い店舗を使用していれば、その分の家賃、光熱費などがかかります。また、広さゆえの人件費もかかってくることが多いでしょう。
小さな店舗に移転すれば、家賃、光熱費、人件費すべてをおさえられます。今後も店舗を運営していくために小さな店舗へ移転するのも、一つの経営改善です。
店舗移転のメリット・デメリット
店舗の移転はメリットだけではありません。場合によってはデメリットになる場合もあります。
以下で店舗移転のメリット・デメリットの双方を解説しますので、移転前、慎重に検討しましょう。
店舗移転のメリット
店舗移転のメリットは、主に以下の3つです。
- 経営状態を改善できる
- 業態を変えられる
- 流行に乗れる
売上やコストの面でメリットになる可能性が高いです。
とくに今の経営状態を改善したい場合には、店舗移転は効果的な戦略といえるでしょう。
店舗移転のデメリット
店舗移転のデメリットは、主に以下の2つです。
- 常連が離れてしまう
- 移転費用がかかる
第一に、店舗の場所を変えるということは今の常連が来れなくなってしまう可能性があります。最寄り駅が変わるほどの移転であれば、ほぼ確実に常連は離れていくでしょう。
また、店舗移転には当然ながら移転費用がかかります。経営改善のための移転とは言えど、原状回復工事や店舗内装・設備などの費用は、コスト削減を考えている店舗にとって大きなダメージになるでしょう。
店舗移転の基本的な流れ【スムーズな引っ越し手順】
店舗移転をする際の基本的な流れについて解説します。
初めて店舗移転をする際には「どのような流れで移転をするのか?」とわからないことも多いでしょう。
基本的には以下5つの流れで移転を進めていきます。
- 移転先の調査
- 店舗移転のお知らせ
- 現店舗の閉店
- 新店舗の開店準備
- 新店舗の開店
いずれも店舗移転に欠かせない項目ですので、必ず流れにそって進めてください。
1.移転先の調査
まずは店舗移転に伴い、移転先を決めていきましょう。
移転先は一つに絞らずに、以下のポイントから比較検討していきます。
- 立地
- 家賃
- 住民の層
移転先の立地によっては集客しにくくなる可能性もあるので、事前にその地域の層まで調査しておきましょう。また、周辺に同業店舗があるかの調査も大切です。
もし同業店舗があるのであれば、そのお店の人気や特徴などまで調べておくと、後々の戦略につなげやすいです。
2.店舗移転のお知らせ
移転先が決まったら、取引先や常連のお客様に店舗移転のお知らせをしましょう。チラシやメールなどで周知しておく方法が効果的です。
店舗に張り紙を貼る方法もありますが、読まれない場合もありますのでできるだけ直接届くチラシやメールが良いです。
お知らせの内容は自由に決めて問題ありませんが、多くの場合は以下のような内容が使われます。
「平素より当店をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。誠に勝手ではございますが、当店は◯月◯日を持ちまして閉店することとなりました。長年にわたる格別のご愛顧を心より感謝申し上げます。」
立地によっては移転をしても来店してくださる可能性があるので、丁寧なお知らせを心がけましょう。
3.現店舗の閉店
移転先が決定して閉店のお知らせを送ったら、現店舗の閉店を進めていきます。
現店舗の閉店は、以下の流れで進みます。
- 貸主または管理会社に解約予告
- 原状回復またはスケルトン状態
原状回復とスケルトン状態の違いは、以下のとおりです。
- 原状回復…物件を契約する前の状態に戻す
- スケルトン状態…天井・床・壁など建物の骨組み以外の内装がない状態に戻す
どの状態まで戻せばいいのかは賃貸契約書に記載されているので、事前に確認しておきましょう。
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4.新店舗の開店準備
閉店準備が進んだら、新店舗の開店準備を進めていきます。
新店舗の開店準備は、内装工事や必要な機器、家具の用意です。
旧店舗から持ってこれるものもあるので、新たに購入するものと持ってくるものでリストを分けておくと良いでしょう。
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5.新店舗の開店
すべての準備が整ったら新店舗の開店です。
開店した際には、取引先や旧店舗のお客様にお知らせを送ってください。閉店のときと同様に、チラシやメールで連絡すると効果的です。
また、新店舗の開店にあわせてキャンペーンなどを実施すると、勢いのあるスタートをきれます。
店舗移転時に必要な手続き
店舗移転時には、閉店・開店で必要な手続きがあります。
税務署・保健所・警察署などに手続きをおこなわなければいけません。
以下にそれぞれの手続きをまとめましたので、参考にしてください。
現店舗の閉店手続き
現店舗閉店時には、以下の手続きをおこなってください。
- 税務署…廃業等届出書の提出・給与支払事務所等廃止届出書の提出・所得税の青色申告の取りやめ届出書の提出・ 事業廃止届出書の提出
- 保健所…廃業届の提出 飲食店営業許可書の返却
- 日本年金機構…厚生年金保険適用事業所全喪届の提出・雇用保険適用事業所廃止届出(事業主控)のコピーの提出
- 警察署…深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の廃止届の提出 など
- 消防署…防火管理者解任届出書の提出
- 公共職業安定所…雇用保険適用事業所廃止届の提出・雇用保険被保険者資格喪失届の提出・雇用保険被保険者離職証明書の提出
- 労働基準監督署…労働保険確定保険料申告書の提出
「雇用している従業員がいるか」「どのような業態で店舗を運営しているか」によっても異なりますので、詳しくは司法書士や社労士などの専門家に確認しましょう。
新店舗の開店手続き
新店舗の開店手続きは、以下をおこなってください。
- 税務署…開業届の提出
- 保健所…開業届の提出・飲食店営業許可書の申請
- 警察署…深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の提出
- 消防署…防火管理者選任届出書・防火対象物設備使用開始届書などの提出
閉店手続きと同様、雇用状況や業態によっても異なりますので専門家に一度相談してください。
店舗移転時にかかる費用
店舗移転時にかかる費用についても理解しておきましょう。
閉店と開店でかかる費用は異なりますので、以下を確認して赤字にならないように予算計画を立てておくと良いです。
現店舗の閉店に関わる費用
現店舗の閉店には、主に以下の費用がかかります。
- 解約予告期間分の家賃
- 水道光熱費
- リース契約の途中解約違約金
- 原状回復工事の費用
とくに費用がかかるのは原状回復の工事費用です。費用は店舗の規模によって異なるので、一概にどの位が目安とは言えません。
新店舗の開店に関わる費用
新店舗の開店に関わる費用は、以下のとおりです。
- 保証金
- 礼金
- 仲介手数料
- 前賃料
- 設備・内装費
- 宣伝広告費
- 初期仕入れ費用
とくに大きな費用がかかるのは保証金・礼金・仲介手数料・前賃料などの物件取得費用と、設備・内装費です。
業態や立地によって異なりますが、数百万以上かかるケースが一般的ですので、ギリギリになったり赤字になったりしないために余裕をもって準備しておきましょう。
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店舗を移転する際の注意点
店舗を移転する際には、以下の点に注意してください。
- 新店舗周辺のお店と関係性を作っておく
- 同業種の実績がある引っ越し業者を見つけておく
上記の点を注意しておかないと、店舗移転後スムーズに店舗運営できない悩みを抱える可能性があります。
一つひとつを丁寧におこなっておけば大きな問題になるケースは避けられますので、以下を参考に行動していきましょう。
新店舗周辺のお店と関係性を作っておく
新しい地域に店舗を移転するのであれば、必ず周辺の店舗に挨拶をしておきましょう。周囲の店舗からすれば移転する店はライバルですから、挨拶まわりをして良好な関係性を作っておくことはとても大切です。
とくに商店街や地元のテナントが多いエリアにおいては、挨拶は必須だと考えてください。このようなエリアでは、地域の一員として店舗運営をおこなっているケースが多いので、協力する姿勢を見せないと周囲の店舗から煙たがられてしまいます。
少しでも周囲の店舗から嫌われてしまえば口コミによって集客できないというトラブルになる可能性もありますので、必ず実施してください。
同業種の実績がある引っ越し業者を見つけておく
店舗移転をする際には、頼れる引っ越し業者も見つけておきましょう。なぜなら店舗の移転を得意としている引っ越し業者は限られているからです。
とくに飲食店のように専門的な厨房機器が多い場合は、取り扱いの注意点などがあるため、特化した業者を選ぶべきです。場合によっては対応してもらえないケースもありますので、必ず事前に対応できる引っ越し業者を見つけておきましょう。
店舗移転では引っ越し業者の選定もカギに!
店舗移転はどの業態の店舗であっても、予想以上に手間も時間もかかるものです。ぜひ、今回の記事を参考に、計画的に進めてみてください。
数あるステップの中でも、特に引っ越し業者の選定は早い段階でおこないましょう。店舗移転に対応している引っ越し業者は限られており、すぐ見つけようとしても見つからない可能性も。
セーフリーであれば多くの引っ越し業者を掲載しておりますので、店舗移転の希望に合う業者がきっと見つかるでしょう。店舗移転を検討中の事業者様や責任者の方はぜひご活用ください。
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店舗移転時の流れや費用は?閉店〜新店舗開店の総額も【テナント貸店舗対応】のよくある質問
-
Q. 店舗移転時に必須の手続きはありますか?
A.税務署・保健所・警察署・消防署などへの届出提出を忘れないようにしてください。
-
Q. 店舗移転にかかる費用の総額はどのくらいですか?
A.店舗の規模・立地・持っていく機器によって費用総額は異なります。
-
Q. 移転先の物件選び、テナント選びの注意点を教えてください。
A.目的によっても異なりますが、集客目的ならば駅からアクセスの良い物件を選びましょう。安さだけで選ぶと失敗してしまう恐れがあります。