生態を知りたいスズメバチ

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スズメバチの生態を徹底解説!見た目や特徴・1年の過ごし方を紹介

2024.04.07 2024.04.24

 

この記事では、スズメバチの生態を徹底解説します。

ハチの中で最も危険とされるスズメバチ。「なぜそんなに危険なの?」「遭遇したらどうする?」など心配になる方も多いでしょう。

ここでは、スズメバチの見た目や特徴などの生態について詳しくご紹介します。危険な理由や遭遇した際の対処法も解説しているため、ぜひお役立てください。

 

スズメバチの生態【1年の過ごし方】

生態を知りたいスズメバチのイメージ
スズメバチの1年間の過ごし方は決まっていて、1年以内に一生を終えることになります。まずは、スズメバチの1年の過ごし方について見てみましょう。

  • スズメバチの1年間
  • オスとメスの違い

スズメバチの1年間

スズメバチの活動は、4~5月頃から始まります

4~5月頃 女王蜂が巣作りと産卵を始める
6~8月頃 働き蜂が生まれ巣がどんどん大きくなる
8~10月頃 働き蜂の数がピークになり、来年の女王蜂が生まれる
11~3月頃 来年の女王蜂のみ冬眠し、ほかは死滅する

冬眠から目覚めた女王蜂は、1匹のみで巣作りを始めます。同時に産卵が進むため、女王蜂は1匹で巣作りと産卵、幼虫の世話をしています。

幼虫が働き蜂として動けるようになると、巣作りは一気に加速するのが特徴。ある程度働き蜂が増える6月頃になると女王蜂は産卵に専念し、スズメバチはあっという間に数を増やします。

8月頃には働き蜂の数がピークに達し、数百~千匹ほどになることもあります。攻撃性が増す時期でもあり、大変危険です。

9月頃になると、来年の女王蜂とオス蜂が誕生します。この時期は、1年のうちでスズメバチが最も攻撃的です。来年の女王蜂とオス蜂が成長すると巣から離れ、来年のための交尾を繰り返し、その後オス蜂は死滅します。

11月頃の寒い時期になると、来年の女王蜂は冬眠し、ほかの働き蜂はすべて死滅。女王蜂は、土の中や倒木の中で冬眠して春を待ちます。

さらに詳しく知りたい方はこちら

オスとメスの違い

スズメバチのオスとメスには、それぞれ明確な違いがあります。

  • オス:交尾が役割
  • メス:女王蜂および働き蜂

働き蜂はすべてメスで、毒針を持ち大変攻撃的です。対してオスは毒針を持たず、交尾だけが目的の存在のため、交尾が終了すると死滅します。

女王蜂以外の働き蜂には基本的に生殖能力がほぼないとされていますが、例外として、女王蜂が不在の場合のみ産卵することがあるようです。

女王蜂と働き蜂はどちらもメスですが、「来年の女王蜂」と見定められたメスの幼虫には質の良いエサが優先的に与えられるため、越冬して産卵できると考えられています。

スズメバチの生態をチェック!【種類別】

スズメバチにもいくつかの種類がいて、特徴がそれぞれで異なります。攻撃性にも違いがあるので、ここで危険度が高い5種類をチェックしておきましょう。

種類 見た目 特徴
オオスズメバチ オレンジ寄りの黄色と褐色、黒で2.5~4.5cm 一番大きく攻撃的も毒性もかなり高い 波模様で底が開いていて、つりがね型
キイロスズメバチ 発色の良い黄色と黒で2~3cm 個体数が非常に多く攻撃性が高い 球状で貝殻模様
コダカスズメバチ 黄色と黒の縞模様で羽の下が黒一色。2~2.8cm 攻撃的な性格で、都会にも多く生息している 逆フラスコ型
モンスズメバチ 全体的に黄色で腹部に黒い波模様がある。2~3cm 攻撃性が高く、夜も活動する 底が開いた波模様のつりがね型
ヒメスズメバチ 腹部の先が黒で2.4~3.7cm 大人しい性格だが体が大きく敵に敏感 波模様のつりがね型

オオスズメバチ

オオスズメバチは、スズメバチの中で最強です。体が大きいだけでなく攻撃的で毒性も強いため、最も注意しなければなりません。

オオスズメバチは追跡力も高く、刺されるとアナフィラキシーショックを起こす危険もあります。巣は最大で80cmほどにまで大きくなるケースもあります。

キイロスズメバチ

個体数が非常に多く、刺される被害が最多となっているのが、キイロスズメバチです。オオスズメバチより小柄ではあるものの、巣の近くを通っただけでも攻撃してくることがあります。

キイロスズメバチは、市街地にも生息していることが特徴。大勢で一斉に攻撃することもあるため、注意が必要です。

コダカスズメバチ

都市部に適応して生息しているコダカスズメバチは、オオスズメバチによく似ていますが、少し小柄です。生活圏内に巣ができることも珍しくなく、知らないうちに刺激してしまい刺されることもあります。

刺激されなければ襲うことはありませんが、人間の生活範囲に近い場所に生息している点に、特に注意が必要です。

モンスズメバチ

モンスズメバチ最大の特徴は、夜間でも活動する点です。通常スズメバチは夜間に活動が弱まるため、駆除は夜間に行われます。しかし、モンスズメバチは夜間の駆除でも危険が高くなっています。

攻撃的な性格をしているため、1日中気をつけていなければならない種類です。

ヒメスズメバチ

比較的大人しい性格をしているヒメスズメバチですが、その特徴はオオスズメバチと同じくらいに大きい体をしている点にあります。毒性はオオスズメバチより低いものの、毒針が太いため刺されると痛みが強いです。

また、敵の存在に非常に敏感なので、通っただけでも威嚇されることがあります。

スズメバチが発生する原因を生態から知ろう

スズメバチが発生するのは、巣を作り生息するのに適した場所があるからです。

基本的に、スズメバチは巣を中心に生活をするため、巣がない場所ではあまり多く見かけません。自然が多い場所は別ですが、人間の生活圏内であれば、巣作りに適さない場所も多いでしょう。

ただし、キイロスズメバチやコダカスズメバチなど、都市部に適応している種類も増えています。都市部でも植物を多く植えるようになってきたことから、エサとなる昆虫が増えてきたためです。

そのため、民家であっても巣を作るケースも増えています。また、温暖化が進み女王蜂が越冬しやすくなるだけでなく寒い期間が短くなることで、活動期間が長くなり働き蜂が数を増やしやすくなっています。

【スズメバチの生態】益虫とされる理由について

駆除対象としても見方が強いスズメバチですが、実は益虫とされ自然界では大きな役割を果たしています

スズメバチは、雑木林における生態系で上位に位置し、昆虫をエサとしています。エサとなる昆虫の中には、人間の食事に欠かせない農作物を食べてしまう種類も多いです。

スズメバチが昆虫をエサとすることで、人間の農作物は被害を抑えることができているのです。

生態で分かる!スズメバチが危険な時期

スズメバチは基本的に暖かい時期にしか活動しませんが、中でも9月頃は一番危険な時期

9月頃には新しい女王蜂が生まれるため、働き蜂の攻撃性が高まるためです。また、働き蜂の個体数もピークになり、巣の周囲に近づくものに対しては、大勢で一斉に攻撃するようになります。

【生態からチェック】スズメバチの危険性とは

スズメバチの生態を知り危険を示す男性
スズメバチが危険だとされるのは、下記に挙げる4つが主な理由です。

  • 毎年死亡者が出ている
  • 追跡スピードが速い
  • 毒性が非常に高い
  • アナフィラキシーショックに注意

毎年死亡者が出ている

スズメバチによる死者は、毎年10~40人ほどとされています。

多い年には70人以上の人がスズメバチによって亡くなっていることから、その危険性の高さが分かるのではないでしょうか。

さまざまな生き物との接触によって死亡するケースはありますが、その中で最も多いのがスズメバチに刺されたことによるものです。クマやヘビなどに比べても死亡例がはるかに多いことが、スズメバチの危険性を物語っていると言えます。

参照:一般財団法人 厚生労働統計協会「厚生の指標」第59巻第5号

追跡スピードが速い

追跡スピードが非常に速く、一度ターゲットになると逃げるのが難しいことも危険な理由の一つです。

速度は時速20~30kmほどとされていますが、攻撃時には時速40kmを超えることもあるようです。

時速20~30kmは、ロードバイク並みの速さです。時速40kmは、一般的な道路での車の速度となり、人間が全力で走ってもなかなか逃げられないことが分かります。

毒性が非常に高い

種類によりますが、基本的にスズメバチの毒性は非常に高いです。

軽い症状であっても、数日間刺された場所が腫れたり痛んだりします。重度の症状だと、すぐに全身症状が出るため、十分に注意しなければなりません。

アナフィラキシーショックに注意

スズメバチに刺されてすぐに全身症状が出るのは、アナフィラキシーショックの可能性が高いです。アナフィラキシーショックは、すぐに適切な処置をしなければ救命できないこともあるため、非常に危険です。

特に、スズメバチに刺されるのが2回目以降である場合は、アナフィラキシーショックが起こりやすくなるため十分に注意しなければなりません。

ただし、刺されるのが初めてでもアナフィラキシーショックを起こすことはあります。日頃から、刺されないための対策をしておくことが大切です。

【スズメバチの生態】攻撃サインとは?

スズメバチは、むやみやたらに攻撃してくるわけではありません。また、突然刺してくるわけではなく、攻撃のサインを出しています。

攻撃サインに気付ければ、攻撃される前に避難できる確率が高くなります。

そこで、スズメバチの攻撃サインについて知っておきましょう。

攻撃ステージ 攻撃危険度 スズメバチの行動
要注意段階 注意が必要 巣のまわりを旋回する
警戒中 危険 カチカチという音で威嚇して取り囲む
攻撃スタート 大変危険 数匹が刺しに襲ってくる
一斉攻撃 非常に危険 大勢が集まり一斉に刺してくる

要注意段階や警戒中にスズメバチに気付ければ、攻撃される前に退避できる可能性が高くなります。

攻撃が始まり、一斉攻撃に発展すると救出も困難になるため、常に周囲の様子をチェックしておくと安心です。

生態から分かるスズメバチの回避策4選

生態を理解してスズメバチ回避策を提示する女性
注意して生活していても、時にはスズメバチに遭遇してしまうことはあるでしょう。遭遇した際は、なるべく刺激しないように避難することが大切です。

  • 濃い色の衣服は避ける
  • 強いニオイを身にまとわない
  • ハチを刺激しない
  • 遭遇したらそっと後ずさりする

上記のポイントを押さえて、スズメバチから身を守りましょう。

濃い色の衣服は避ける

スズメバチは、黒い色に反応します。黒に近い色もスズメバチにとっては刺激となるため、濃い色の衣服は避けたほうが安心です。特に、自然が多い場所へ出向く際は、白などの明るい色の衣服を選びましょう。

また、髪の毛が黒かったり暗い色だったりする場合も要注意です。明るい色の帽子を被るなどして、頭を守るようにしましょう。

強いニオイを身にまとわない

強いニオイは、スズメバチにとって刺激になります。

  • 香水
  • 整髪料
  • 化粧品
  • 柔軟剤
  • お菓子
  • ジュース

上記をはじめ、強いニオイを発するものは身につけたり携帯しないようにしましょう。

ハチを刺激しない

スズメバチは、刺激されなければ基本的に刺すことはありません。ただし、下記の行動は刺激となりスズメバチから攻撃の対象とされるため、注意しましょう。

  • 大声を出す
  • 手を振り回すなど大きな動作をする
  • 素早い動きをする
  • 走る

スズメバチを見ると、どうしてもびっくりして声を出したり振り払ったりしたくなるもの。しかし、これらの行動はスズメバチから攻撃されやすくなるため、控えましょう。

遭遇したらそっと後ずさりする

万が一スズメバチに遭遇してしまったら、刺激するような攻撃はせず静かにその場から立ち去ります。

静かに後ずさりし、少しずつ身を低くしてその場から去りましょう。振り向いて走ると攻撃されることがあるため、後ずさりするようにしてください。

生態を活用!スズメバチに刺された場合の対処法

スズメバチに刺されてしまったら、下記の手順で応急処置をします。

  1. 傷口のまわりをつまみ、毒を絞り出す
  2. 水でしっかり洗い流す
  3. 副腎皮質ホルモン入り抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗る
  4. 傷口を冷やして安静にする

まずは刺された場所のまわりをしっかりつまんで毒をできるだけ絞り出します。毒を吸い出すポイズンリムーバーを使うと効果的。刺されてから1~2分以内に絞り出すようにしましょう。

次に、流水で患部をしっかり洗います。最低でも10~15分は洗うことが大切です。その後、副腎皮質ホルモン入り抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗っておきましょう。

軟膏を塗ったら患部を冷やして安静にし、医師の診察を受けます。特に呼吸困難や嘔吐などの全身症状が出ているなら早急な受診が必要ですが、目立った症状がなくても受診しておくと安心です。

スズメバチの生態を知って安全な駆除方法を選ぼう

スズメバチの生態を理解している業者の男性
生活圏内にスズメバチの巣を発見したら、被害に遭う前に駆除するしましょう。駆除にも危険が伴うため、安全な方法を選びましょう。

  • 業者への依頼がベスト
  • 自治体が対処してくれることもある
  • 初期段階の巣なら自分で駆除できることもある

業者への依頼がベスト

危険が大きい作業であるスズメバチの駆除は、専門のプロに任せるのがベストです。

プロの業者なら、専用のアイテムや知識、経験から徹底的に駆除してくれます。

費用は8,000~20,000円ほどが相場で、状況によってはこれ以上の料金が発生することもありますが、安全を考えるとベストな方法です。

また、賃貸住宅や集合住宅なら、管理会社が駆除してくれることもあるため、一度相談してみると良いでしょう。

自治体が対処してくれることもある

自治体により異なりますが、中には無料でスズメバチを駆除してくれる場合があります。駆除は請け負っていなくても、下記のようなサービスを提供している自治体もあります。

  • 防護服の貸し出し
  • 駆除業者の紹介
  • 駆除費用の補助金を支給

自治体により内容は異なるため、まずは問い合わせてみましょう。

初期段階の巣なら自分で駆除できることもある

4~5月の、初期段階の巣であれば自分で駆除できることもあります。女王蜂のみ、もしくは働き蜂が数匹のみで危険度が低い場合のみですが、自分で駆除すれば費用も抑えられるでしょう。

ただし、自分で駆除する場合でも防護服などは必要です。殺虫スプレーなども必要になるため、無理せず業者へ依頼するのがおすすめです。

さらに詳しく知りたい方はこちら

スズメバチの生態を知ってリスク低減!安全な暮らしを目指そう

スズメバチは攻撃性が高く毒性も強いため、とても危険です。基本的な生態を理解し、万が一巣ができたり遭遇したりした際には適切な対応を取りましょう。

巣の駆除は、業者へ依頼するのがベストです。セーフリーなら、多数の業者を掲載しているので希望に合う依頼先を見つけられます。セーフリーで業者を見つけて早めに駆除し、安全に暮らせる環境を整えましょう。まずは無料見積もりしてみてください!

スズメバチの生態を徹底解説!見た目や特徴・1年の過ごし方を紹介のよくある質問

  • Q. スズメバチはゴキブリを食べる?

    A.

    種類によりますが、肉食のスズメバチはゴキブリもエサにします。

  • Q. スズメバチから走って逃げると追いかけてくる?

    A.

    素早い動きはスズメバチにとって刺激となるため、追いかけてきて攻撃されてしまいます。そっと後ずさりして、退避しましょう。

  • Q. スズメバチは夜でも危険?

    A.

    基本的に、スズメバチは夜間行動が弱まります。ただし、モンスズメバチは夜間でも活動し飛ぶため注意しましょう。

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