2023.11.07 2024.09.03
コウモリのフンを放置すると病気やさまざまな悪影響を及ぼすため、迅速かつ適切な対処が必要です。そこで今回の記事では、コウモリのフンの正しい掃除方法について解説していきます。
また、コウモリのフン被害をなくすための対策についても紹介しています。記事後半ではフンの区別や特徴についても書いているため、この機会に把握しておきましょう。
目次
コウモリのフンの見分け方・特徴は?【ネズミの糞との区別も】
「そもそも、コウモリのフンかどうか見分けがつかない」方が多いでしょう。実際、コウモリのフンはネズミのフンとかなり似ている場合も多く、見慣れていないと、どちらのフンなのか分かりません。
逆にどちらの糞か分かれば、効果的な対処が可能です。コウモリとネズミのフンの違いを、以下の表にまとめましたので比較してみてください。
害獣の種類 | コウモリ | ドブネズミ | クマネズミ | ハツカネズミ |
---|---|---|---|---|
フンの特徴 | 色:黒/茶色 形状:細長い/よじれている パサパサしている 外壁についている |
色:こげ茶色/灰色 形状:太い/丸みがある 臭いが強い |
色:茶色/灰色 形状:楕円形 散らばっている |
色:茶色 形状:先が尖っている 臭いが強い |
フンの大きさ | 5mm〜10mm | 10mm〜20mm | 6mm〜10mm | 4mm〜7mm |
コウモリのフンは黒もしくは茶色で、形状は細長くよじれているのが特徴です。また、コウモリは昆虫を主食としているためフンが乾燥しやすく、触れるとサラサラと崩れていきます。
一方で、ネズミのフンは種類によっても異なりますが、茶色で臭いが強く、丸みのある形状が特徴です。クマネズミとハツカネズミの糞は、コウモリのフンと同様のサイズ感ですが、ドブネズミのフンはコウモリのフンよりも大きいです。
ネズミのフンについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
さらに詳しく知りたい方はこちら
家でネズミのフンを見つけたら?判別の仕方と掃除のポイントについて徹底解説
2023.08.31 2024.09.03
コウモリがよくフンをするチェックポイント
コウモリは主に屋外でフンをします。
コウモリがフンをするチェックポイントは、以下を押さえてください。
・シャッター
・ガレージ
・倉庫/納屋
・瓦
・雨どい
・軒下
・屋根裏
特に、軒先や屋根の下、ベランダは、フンが集中して落ちることが多いです。また、壁にフンが付着している場合も、コウモリの存在を疑うべきでしょう。
室内では、屋根裏に侵入する隙間がある場合、コウモリが侵入してフンをすることもあります。屋外、室内限らずフンが見られる場合、コウモリが近くにいると考えられるため、早めに対策を検討しましょう。
コウモリのフンは病気の原因?放置する危険性とは
家周辺にコウモリのフンを見つけたら、放置は厳禁です。コウモリのフンを放置することで、以下の危険、被害があるためです。
- フンにウイルスが含まれている
- 臭いによる住宅の被害
- 他の害獣が寄ってくる
「少しくらい放置しても大丈夫だろう…」「気が向いたらまとめて処理しよう」といった安易な考えは危険です。ここからは、コウモリのフンを放置することによる、具体的な被害について説明していきます。
フンにウイルスが含まれている
コウモリのフンにはさまざまな病原菌や寄生虫が含まれており、これらは乾燥すると粉々になって、空気中に広がることがあります。この現象を「エアロゾル」と言います。
エアロゾル化した病原菌を吸い込むことで、喘息やアレルギーのような健康問題を引き起こす可能性があります。
住宅への被害
コウモリのフンは非常に強い臭いを放ちます。放置しているだけで、家の中が不衛生な状態となります。
また、コウモリのフンが天井や壁に染み込むと、その部分が腐ってしまうこともあります。そうなると掃除だけでは済まなくなり、リフォームや業者による修繕が必要となることも考えられます。
他の害獣が寄ってくる
コウモリのフンを放置していると、フンにゴキブリやハエ、ダニ、ノミなどの害虫が集まってきます。害虫は家の中に侵入してくるため、フンが原因で新たな被害につながる可能性も考えられます。
コウモリのフンはどうやって処理する?正しい掃除の仕方
コウモリのフンを放置することで、危険が伴うことがお分かりいただけたと思います。そのため、早急かつ適切な方法で処理することが求められます。
以下で解説する正しい掃除方法を把握し、処理していきましょう。
用意すべき道具
まず、コウモリのフン掃除に必要な道具を揃えます。用意すべきものは以下を確認してください。
- マスク
- 保護メガネ
- 帽子
- ゴム手袋
- ほうき
- ちりとり
- ゴミ袋
- 除菌
- 殺菌スプレー
コウモリのフンを掃除するときは、ウイルス感染対策を考慮し、マスクや保護メガネ、帽子、ゴム手袋などを装備します。ほうきやちりとりはフンを効率的に取り除くために使用します。
そして除菌・殺菌スプレーは掃除後の消毒作業に必要となりますので、忘れずに用意しましょう。
正しい掃除の手順
コウモリを掃除する際の手順は、以下を参考にしてください。
- 湿ったペーパータオルやティッシュを設置する
- ほうきとちりとりでフンを取り除く
- 除菌・殺菌スプレーで消毒作業
- 手洗いとアルコール消毒の実施
最初に、コウモリのフンが舞い上がるのを防ぐため、フンのある場所に湿ったペーパータオルやティッシュを敷きます。次に、ほうきとちりとりを使い、フンを取り除いていきます。このとき、乾燥しているフンは壊れやすいので、取り扱いに注意しましょう。
掃除が完了したら、フンが落ちていた部分だけでなく、その周辺も除菌・殺菌スプレーでしっかりと消毒します。特に効果的な消毒を求める場合は、次亜塩素酸の使用を検討してください。
全ての作業が完了したら、手を洗いアルコールで消毒しましょう。
掃除するときの注意点とは
ウイルス感染対策として用意するマスクは、しっかりと顔にフィットさせ、手袋は厚手のものを選びましょう。また、コウモリのフンは強烈な臭いが伴うことがあるため、消臭作業を行うことをおすすめします。
もし、掃除中にコウモリと接触し傷を負った場合は、速やかに医師の診断を受けてください。
コウモリのフン被害をなくすには?【ベランダ・玄関】で見つけたときの対策も
コウモリのフンを処理しても、そもそもコウモリの対策をしなければフン被害は続きます。根本を解決する方法として、コウモリを追い出し、寄せ付けない対策について解説していきます。
①コウモリを追い出す
自力でコウモリを追い出す方法は、以下4点が挙げられます。
・蚊取り線香を使用する
・忌避剤を使用する
・超音波を使用する
・まぶしい光を照らしてみる
特別なものを用意する、複雑な準備が必要ということはありません。市販でアイテムを購入し、簡単に行える対策ばかりなので、チェックしてみてください。
蚊取り線香を使用する
コウモリは蚊取り線香の香りを嫌います。蚊取り線香の煙を屋根裏、ベランダ、玄関などコウモリの住処となる場所に充満させることで、コウモリを追い払うことができます。
忌避剤を使用する
市販で売られているコウモリ専用の忌避剤を使用することで、コウモリを追い出すことができます。天然由来の成分を含むものは安全性が高く、家庭での使用におすすめです。
超音波を使用する
コウモリは自分の位置を確認するために、超音波を利用しています。人工的に超音波を発生させることで、コウモリの感覚を狂わせ、寄せ付けないようにします。
しかし、コウモリは自ら超音波の周波数を変えることができるため、効果があっても一時的なものだといえます。超音波だけに頼る対策は危険でしょう。
まぶしい光を照らしてみる
強い光をコウモリの住処に照らすことで、コウモリを追い出すことができます。夜行性のコウモリにとって、まぶしい光が苦手なためです。
光のほかにも、CDやアルミホイルは強い光を反射するため、ベランダや玄関に設置することで、コウモリが寄らなくなるかもしれません。
②コウモリの侵入経路を塞ぐ
屋内におけるコウモリのフン被害を防ぐなら、侵入経路を塞ぐことが大切です。
コウモリはわずか1.5cm程度の隙間があれば侵入できる害獣です。そのため、換気口や通風口などの隙間を、金網やシーリング材でしっかりと塞ぐことが必要です。
③駆除業者に依頼する
自力での駆除が難しい場合や、コウモリのフン被害がひどい場合は、専門の駆除業者に依頼しましょう。家に住み着いたコウモリは、対策を講じてもなかなか追い出せないケースがあります。
そこで、駆除業者に依頼することで、プロの技術と知識により確実にコウモリを追い出すことが可能です。
コウモリのフンと駆除にまつわる豆知識!
コウモリのフンと、コウモリ本体の駆除を行う際に、知っておきたい豆知識は以下の2点です。
・コウモリを勝手に駆除するのはNG
・コウモリのフンは肥料として使える
知らずに処理し、思わぬ事態に発展することも考えられるため、知識として覚えておきましょう。
コウモリを勝手に駆除するのはNG
日本でコウモリは「鳥獣保護管理法」によって保護されています。そのため、無許可での駆除は法律で禁止されており、違反すると罰金や懲役の対象となります。
コウモリの駆除を検討している方は、必ず市役所などの関連機関に相談し、適切な手続きを踏むようにしましょう。
コウモリのフンは肥料として使える
コウモリのフンは、リン酸が豊富に含まれており、肥料として活用されることがあります。ただし、畑に直接撒くのは絶対にNGです。先述したように、コウモリのフンには有害な菌や細菌が含まれているためです。
フンが原料に使われた「バットグアノ」と呼ばれる肥料が市販されています。バットグアノは、長い時間かけて天然発酵されたコウモリのフンを加工したもので、安全に使用できる肥料として認知されています。
コウモリのフンを確実に対策したい場合は…
コウモリのフンは人と家に悪影響を及ぼすため、放置してはいけないことがお分かりいただけたでしょうか。フンを発見次第、早急に処理することが大切です。
また、コウモリのフンを処理した後は、コウモリ本体を追い出し、寄せ付けない対策をしましょう。自力での完全退治が可能な場合もありますが、厄介なコウモリの被害にこれ以上悩まされたくないなら、駆除業者に依頼することを強くおすすめします。
コウモリのフン?見分け方から掃除の仕方まで【軒下・シャッター等】のよくある質問
-
Q. コウモリは飛びながらフンを落とす?
A.コウモリは飛びながらフンをすることもあります。
-
Q. コウモリのフンを触ってしまったら?
A.速やかに手洗いと消毒を行いましょう。
-
Q. コウモリは大量にフンを落とす?
A.コウモリは一箇所にまとめてフンをする習性があります。
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