畳の掃除方法!正しい手順は?【おすすめの時期・い草の傷み対策まで徹底解説】
2023.08.01 2024.09.04
イグサから作られる畳はとても魅力的ですが、とてもデリケートでなためキレイな状態で長く使うなら、こまめな掃除やお手入れが欠かせません。
しかし、フローリングが主流となった近年では、正しい畳の掃除方法が分からず間違った方法で実践してしまう方もいます。この記事では、正しい畳の掃除方法について、基本からトラブルの応急処置まで徹底解説します。
カビやダニが発生した場合の対処法もご紹介するので、ぜひ知識を深めておきましょう。
目次
畳掃除で覚えておくべき3つの基本【重要】
自然なイグサの良さを存分に堪能できる「畳」ですが、一般的なフローリングなどと比べるととてもデリケートです。
畳を傷つけずに掃除するためには、下記3つの基本を頭に入れておきましょう。
- 畳の目に沿って作業する
- ゆっくり掃除する
- 仕上げは乾拭き
畳の目に沿って作業する
イグサを編み込んで作られている畳は、編み込みの方向である「目」に沿って掃除するのが基本です。
目とは違う方向に掃除機やほうき、雑巾をかけてしまうと、イグサが傷ついてしまうことがあるため注意しましょう。
また、編み込みとは違う方向に向かって掃除掃除することで、ゴミをイグサの奥へ押し込んでしまうことがあります。
特に小さなホコリやゴミは隙間に入り込みやすいため、必ず畳の目に沿って作業することを覚えておきましょう。
焦らずゆっくり掃除する
畳の掃除は、「焦らずゆっくり」も大原則です。
フローリングのように凹凸が少ない表面の床に比べ、畳は細かなゴミがイグサの間に入り込みやすいためです。
凹凸が少ない床ならば、サッと掃除機などをかけてもある程度のゴミを取り除くことができます。
しかし、畳の場合は時間をかけてゆっくり掃除することが重要です。
目安としては、1畳あたり1分ほどを心掛けましょう。
掃除機をかける場合は、できるだけゆっくりかけていき、イグサの間のゴミも丁寧に吸い取ります。
ほうきで掃除する際は、同じ場所で何度か細かく履いて、小さなゴミを集めることがポイントです。
この時、畳用のほうきを使うとよりゴミを取りやすいでしょう。
仕上げは乾拭き
天然素材であるイグサそのものの良さを活かしている畳は、水分が大敵です。
そのため、どうしても必要な場合を除いて、水拭きでの掃除はしません。
また、掃除の後は乾いた雑巾で拭きあげて畳の水分を拭き取り、カビを発生しにくくすることが大切です。
日常的な畳の掃除方法を解説!
日常的な畳の掃除には、下記のアイテムを使用します。
- ほうき
- 掃除機
- 雑巾
ほうきだけ、掃除機だけの掃除でも問題ありませんが、畳は目が細かいため、ほうきを使うのがおすすめです。
特に、畳専用のほうきを使うとゴミを取り除きやすくなります。
ほうきと掃除機を使う場合は、下記の手順で進めます。
- ほうきで丁寧にゴミを取り除く
- 掃除機をかける
- 雑巾で乾拭きをする
ほうきは、一度に広範囲を掃くよりも、小刻みに動かすほうが効果的です。
畳掃除の3つの基本に従い、畳の目に沿ってゆっくり作業しましょう。
畳の掃除方法4パターン【汚れが目立つ時】
時には、日常的な掃除では取り切れないような、目立つ汚れが発生することもあります。
- 一般的な汚れ
- 飲み物や色付きの液体による汚れ
- カビが発生した場合
- ダニが発生した場合
ここからは、汚れ別に掃除方法を紹介していきます。
一般的な汚れ
ゴミやホコリのほか、食べこぼしなどの汚れが気になる場合には、固く絞った雑巾で水拭きします。
畳の目に沿って丁寧に拭き取ったら、乾いた雑巾で乾拭きをします。
この時、雑巾ではなく畳専用のお掃除シートを使っても良いでしょう。
また、濡らしてしっかり絞った新聞紙をちぎり、畳の上にばら撒いて掃除する方法も効果的です。
適度に水分が残る新聞紙がホコリやゴミを吸着してくれるため、より効率的に掃除できます。
散らした新聞紙は、ほうきで丁寧に集めてから乾拭きで仕上げましょう。
念入りに掃除したい場合や汚れがしつこい場合は、クエン酸水を使う方法もあります。
バケツ半分まで入れた水に小さじ1杯のクエン酸を混ぜてクエン酸水を作り、これを雑巾に浸してから絞って使います。
この場合も、必ず乾いた雑巾での乾拭きが必要です。
ただし、まだ新しい青さが残る畳は色褪せが発生することがあるため、クエン酸水での掃除は控えましょう。
飲み物や色付きの液体による汚れ
飲み物や調味料、色の付いた液体をこぼした時は、できるだけ早く雑巾やティッシュで拭き取ることが大切です。
- すぐに水分を雑巾などで拭き取る
- 汚れ部分に塩をかける
- 塩が湿ってきたら歯ブラシやスポンジでやさしくこする
- 掃除機で塩を吸い取る
- 固く絞った雑巾で水拭きをする
飲み物や色付きの液体による汚れには、塩を使います。
塩をかけたら湿ってくるまで時間を置き、しっかりと水分と汚れを吸収させましょう。
歯ブラシやスポンジでこする際は、畳を傷つけないようにやさしく作業することも大切なポイントです。
また、掃除機や固く絞った雑巾で、塩や水分を畳に残さないことも重要です。
カビが発生した場合
畳に水分が大敵とされるのは、湿気を含みやすい性質だからです。
湿気が溜まるとカビが発生しやすくなり、場合によっては増殖してしまうこともあるでしょう。
カビが発生した部分には、軽く乾拭きしてから消毒用のエタノールを吹きかけ、少し時間を置いたら乾いた雑巾で拭き取ります。
この時、カビが取り切れていないようなら、歯ブラシを使ってやさしくこすりましょう。
最後は必ず固く絞った雑巾で水拭きをしてから乾拭きをして、水分を残さないようにします。
エタノールは揮発性が高く殺菌・除菌効果が高いため、カビに効果的です。
ほかにも、畳専用の洗剤を使うのも良いでしょう。
畳専用の洗剤を使うケースでも、最後に必ず水拭きと乾拭きをすることが大切です。
カビが増殖して頑固な汚れになっている場合は、業者に依頼してカビを根本からしっかり取り除くほうが良いこともあります。
ダニが発生した場合
湿気を含みやすい性質である畳には、ダニも発生しやすくなっています。
ダニが発生してしまったら、畳を外して干す方法が有効です。
晴れた日に風通しの良い場所に干すことで、畳全体が乾燥し、ダニを駆除しやすくなります。
この時、直射日光が当たると日焼けしてしまうため、畳の裏側を日光に向けることがポイントです。
ほかに、市販されているダニ取り用の燻煙剤を使っても良いでしょう。
しかし、畳を外して干すのは、結構な重労働です。
不安がある方は、業者へ依頼して徹底的に掃除してもらいましょう。
畳を掃除しないことによるリスク
畳はホコリやゴミが入り込みやすいため、掃除しないと取れない汚れになってしまうリスクがあります。
また、湿気を含みやすい性質であることから、カビが発生しやすくダニも繁殖しやすいことにも注意が必要です。
カビやダニが発生すると完全に取り除くことが難しくなる場合もあるため、畳は日常的に掃除するようにしましょう。
畳掃除におすすめの時期
日常的な畳の掃除は、できるだけこまめに掃除しましょう。
掃除機やほうきでの掃除は、毎日が理想ですが、難しければ数日に1度など、できるだけこまめな掃除をすると畳を長くキレイな状態で使えます。
念入りな掃除は、6月や12月がおすすめです。
6月は、湿気が多くなる梅雨の前がベストタイミング。
湿気を含みやすい時期になる前に、念入りなお掃除をしておきましょう。
12月の大掃除の前も、畳だけ先に掃除しておくと効率的です。
畳掃除での注意点
畳を長く大切に使うためには、掃除の際に注意したい以下5つのポイントがあります。
- 水拭きの際は固く絞った雑巾を使う
- コロコロを使わない
- ロボット掃除機を使わない
- 重曹やセスキ炭酸ソーダを使わない
- 漂白剤やカビ取り剤を使わない
掃除で畳を傷めることがないよう、それぞれの注意点をしっかり覚えておきましょう。
水拭きの際は固く絞った雑巾を使う
汚れの度合いによっては水拭きが必要なこともありますが、水分が畳に浸透してしまうとカビの原因になってしまうことがあります。
必ず、固く絞った雑巾を使うようにしましょう。
コロコロを使わない
お掃除アイテムの定番であるコロコロですが、畳に使うとイグサがほつれる危険があります。
畳に大きなダメージを与えてしまうこともあるため、使用は避けましょう。
ロボット掃除機を使わない
畳掃除の3つの基本でもお話ししたように、畳の掃除では「目に沿って作業する」ことがとても重要です。
ロボット掃除機はランダムな動きが特徴的で、畳の目に沿ってまっすぐ掃除できないため使用は控えましょう。
重曹やセスキ炭酸ソーダを使わない
ナチュラル洗剤として知られる重曹や炭酸ソーダですが、畳を変色させる危険があるため使用を避けましょう。
黒カビが発生した際には重曹が効果的ですが、変色を避けるため、必要最低限の量だけ使うなどの配慮が必要です。
漂白剤やカビ取り剤を使わない
漂白剤やカビ取り剤を使うと、イグサが変色してしまいます。
カビが発生するとカビ取り剤を使いたくなるものですが、消毒用エタノールを使うのがベストです。
掃除後も一工夫!畳の汚れを予防するコツ
掃除した畳は、汚れを予防してキレイな状態を維持したいものです。
ここでご紹介するコツを駆使して、キレイな畳を目指しましょう。
- なるべく重たいものを置かない
- こまめに換気をする
- 半年~1年に1回は天日干しをする
なるべく重たいものを置かない
洋服タンスや机、ベッドなどの重たいものを畳に置くと、表面がへこんでしまいます。
畳に大きなダメージを与えるだけでなく、家具が触れている部分には湿気が溜まりやすくなるため注意が必要です。
畳を長持ちさせるなら、重たいものはなるべく置かないようにしましょう。
こまめに換気をする
窓をあけてこまめに換気をすると、湿気が飛ばされ畳が傷みにくくなります。
湿気を好むダニやカビの発生も抑えられるため、窓をあけられない日は換気扇をまわすなどの工夫をすると効果的です。
半年~1年に1回は天日干しをする
ダニ対策として有効な天日干しは、半年~1年に1度行うと良いでしょう。
定期的に干すことで、畳の清潔を保ちやすくなります。
畳掃除のついでにい草のトラブルを応急処置!
畳のある家に住んでいると、さまざまな畳トラブルに遭遇することがあります。
- へこみ
- 日焼け
- 焼け焦げ
トラブルに直面したら適切な応急処置ができるよう、ぜひ知識を深めておきましょう。
へこみ
長時間に渡って重い家具やモノを畳に乗せていると、表面がへこんでしまうことがあります。
へこみを発見したら、以下の方法を試してみてください。
- お湯に浸して固く絞った雑巾をへこみ部分に置く
- 雑巾の上からアイロンを低温でかける
- へこみが戻ったら、すぐにドライヤーの冷風で乾燥させる
ポイントは、アイロンがはみ出さない大きさの雑巾を使うことです。
へこみの戻り具合をこまめに確認しながら、手早く作業しましょう。
日焼け
窓から入る太陽の光でも、畳は日焼けすることがあります。
日焼けには、以下の方法が有効です。
- 日焼けした部分を、10倍に薄めたクエン酸で水拭きする
- 乾いた雑巾で乾拭きする
クエン酸の代わりに、お酢を使っても良いでしょう。
焼け焦げ
アイロンなどによる焼け焦げには、オキシドールを使います。
- オキシドールをしみ込ませた綿棒やティッシュで、焼け焦げ部分をトントン叩く
- オキシドールをしみ込ませた雑巾で拭く
綿棒やティッシュでは取れない場合は、スチールウールたわしで焦げた部分を軽くこするのも効果的です。
こまめに掃除をして畳を大切に使おう!
フローリングの部屋がほとんどの家でも、風情ある和室として畳を重宝している方もいるでしょう。
日本の伝統的な床材である「畳」は、定期的に正しい手順で掃除をして大切にすると、長く使うことができます。日頃からしっかり手入れをして、大切な畳を長く使っていきましょう。
カビやダニが増殖してしまった畳は素人での対処がなかなか難しいので業者への相談をお勧めします。
また、フローリングの部屋の掃除については、下記記事もご参照ください。
畳の掃除方法!正しい手順は?【おすすめの時期・い草の傷み対策まで徹底解説】のよくある質問
-
Q. 畳の正しい掃除方法は?
A.畳は、下記の手順で掃除します。
・ほうきで丁寧にゴミを取り除く
・掃除機をかける
・雑巾で乾拭きをする
目に沿って、ゆっくり丁寧に掃除することが大切です。 -
Q. 畳は掃除しないとどうなる?
A.畳を掃除しないと、汚れが溜まったりダニやカビが発生したりします。
特に、ダニやカビは高湿度を好むため、こまめな換気と掃除が欠かせません。
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