2024.03.08 2024.09.04
本記事では、引っ越し時に利用できる補助金や助成金について詳しく解説していきます。
「引っ越し時に助成金が受け取れるって聞いたけど、どこに相談すればいい?」
「自分が利用できる助成金がどれかわからない!」
そんな悩みを持っている方も、この記事を読めば解決できます。
記事の後半では、補助金を利用する以外の引越し費用を抑える方法についても紹介していきます。ぜひ最後までご覧ください。
引っ越しの際に受け取れる助成金・補助金とは
引っ越しの際に受け取れる助成金・補助金には、以下のようなものがあります。
なお、同じ名称の制度であっても、対象者や対象となる物件は自治体により少々異なります。
対象者 | |
---|---|
住宅確保給付金 | ・離職・廃業後2年以内であるか、それと同程度まで収入が減少している方
・世帯収入の合計額が市町村民税基準額と家賃の合計額を超えていない方 ・熱心かつ誠実に求職活動を行なっている方 |
結婚新生活支援事業 | ・指定の期間内に入籍した方
・夫婦の所得の合計が500万円以下 |
高齢者等の住み替え支援制度 | ・同一市内で引越しをする、満65歳以上の方
・同一市内で1年以上居住している方 |
特定優良賃貸住宅 | ・自治体が定める所得基準を下回っている方 |
住宅ローン減税 | ・住宅ローンを借り入れて居住用の住宅を購入した方 |
すまい給付金 | ・新築または中古住宅を購入して居住する方
・所得が一定額以下の方 |
移住支援金 | ・東京圏から地方に引っ越した方 |
自治体ごとの助成金・補助金 | ・自治体ごとに異なる |
勤務先から支給される手当 | ・所属する会社ごとに異なる |
それぞれ少し深掘りして解説していきます。
住宅確保給付金
「住宅確保給付金」とは、生活に困窮している方の自立支援のために国が定めた給付金です。
離職や廃業などによって、所得が一定額に満たない方が、家賃の補助を受けられる制度です。就職活動をしている必要があるなどの条件はありますが、原則3ヶ月(最大で9ヶ月)のあいだ、市区町村ごとに定められた上限までの家賃補助を受けられます。
住宅確保給付金は、返済も不要です。何らかの事情で収入が減ってしまった方は、役所に相談をして住宅確保給付金の受給を検討するのがおすすめです。
また、住宅確保給付金は、自治体から不動産会社や大家に対して直接支払われる形で支給されます。
住宅確保給付金 | |
---|---|
利用条件 | 以下のすべてを満たしている必要がある
・離職・廃業後2年以内である、または収入が離職・廃業と同程度まで減少していること |
支給額 | 自治体により異なる(東京都の1人暮らし世帯の場合は53,700円) |
申請先 | 市区町村役所の生活支援課など |
結婚新生活支援事業
「結婚新生活支援事業」は、新婚生活の経済的な負担を抑える施策として、国が実施している地域少子化対策のひとつです。
結婚の際には、結婚式や新婚旅行など何かとお金がかかります。また、新生活を始めるにあたって、引っ越しや家賃の心配をされている方も多いはずです。
実際に、新婚世帯に向けた「令和4年度結婚新生活支援事業に係るアンケート調査結果」によると、住居費に関して不安を感じている方がもっとも多く、全体の26%にものぼります。
新生活に向けて経済的不安を抱えている新婚世帯は、結婚新生活支援事業によって、引っ越し費用や新居の初期費用などの一部を国から負担してもらえるので、ぜひ利用を検討しましょう。
結婚新生活支援事業 | |
---|---|
利用条件 | ・新居のある市区町村が結婚新生活支援事業を実施している
・規定の期間内に婚姻届を提出している ・夫婦の世帯所得が500万円以下である(自治体により基準は異なる場合あり) |
支給額 | ・夫婦ともに婚姻日時点で39歳以下:上限30万円 ・夫婦ともに婚姻日時点で29歳以下:上限60万円※自治体によって年齢条件や金額が異なる場合あり |
申請先 | 自治体の窓口 |
高齢者等の住み替え支援制度
「高齢者等の住み替え支援制度」は、65歳以上の高齢者の方が、身体的・経済的な理由によって市内での引っ越しを行なう際に、助成金を受け取れる制度です。
同一市内での引っ越しに限られますが、仲介手数料や礼金などを負担してもらえます(上限15万円)。
高齢者等の住み替え支援制度 | |
---|---|
利用条件 | ・同一市内での引っ越しであり、転居後の住所を住民基本台帳に登録すること
・転居先が1階又はエレベーターのある賃貸住宅であること ・転居先が耐震性能を有する建物であること |
支給額 | 上限15万円(引越費用、仲介手数料、礼金) |
申請先 | 自治体の窓口 |
特定優良賃貸住宅
「特定優良賃貸住宅(特優賃)」とは、「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づいて建設された良質な賃貸住宅のことです。
専有面積や構造など一定の条件を満たした住宅が「特優賃」とみなされ、特優賃へ入居した世帯は自治体から家賃補助を受けられます。
「特優賃」は間取りが2LDK〜3LDK程度と、中堅所得者ファミリー向けに設計されているものが多いです。
また、東京都の特優賃は、「都民住宅」と呼ばれてもいます。
特定優良賃貸住宅 | |
---|---|
利用条件 | 自治体が定める基準以下の所得の世帯 |
支給額 | 家賃の一部補助 |
申請先 | 自治体のホームページ |
住宅ローン減税
「住宅ローン減税」とは、ローンを組んで住宅を購入、または自宅の増改築をした際に所得税や住民税の控除を受けられる制度です。
直接受給できる助成金とは性質が異なりますが、引っ越しなどの際に経済的な補助を受けられる制度ですので、住宅ローンを組んだ際には必ず利用しましょう。
住宅ローン減税 | |
---|---|
利用条件 | ・減税を受ける人の居住用住居であること
・10年以上のローンであること ・所得が30,000,000円以下であること ・増改築等の場合、工事費用が1,000,000円以上であること |
支給額 | ・ローン残高の0.7%が所得税から最大13年間控除される
・所得税から控除しきれない分は住民税から控除される |
申請先 | ・確定申告の際に、インターネット上または税務署にて手続き |
すまい給付金
「すまい給付金」は、2019年の消費税増税後に住宅を取得した人がメリットを得られるように作られた助成金です。
収入が一定以下の方が、居住用の住宅を取得した際に受給できます。
住宅ローン減税とは異なり、ローンを組まずに一括で購入した際にも受給ができる点も覚えておきましょう。
すまい給付金 | |
---|---|
利用条件 | ・引上げ後の消費税率が適用されること
・床面積が50平方メートル以上であること ・第三者機関の検査を受けた住宅であること 等 ※新築住宅/中古再販住宅、住宅ローン利用の有無で要件が異なる |
支給額 | 住宅取得者の収入及び持分割合により決定 |
申請先 | すまい給付金事務局 |
移住支援金
「移住支援金」とは、東京圏に住んでいる方や、東京圏に通勤している方が地方都市へ移住する際に受給できる助成金です。
この場合の「東京圏」とは、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川圏の一都三県を指します。利用条件を満たせば、一人暮らし世帯や学生でも受給できます。
引っ越し後3ヶ月〜1年のあいだに申請が必要なので、条件に当てはまる方は申請を忘れないようにしましょう。
移住支援金 | |
---|---|
利用条件 | ・現在東京圏に居住、または東京圏内に通勤・通学しており、東京圏外か条件不利地域の市町村に移住する方
・移住先で地域の中小企業に転職、現職をテレワークで継続、移住先で起業する方 |
支給額 | 一世帯100万円以内、単身60万円以内 |
申請先 | 移住先の都道府県や市町村窓口 |
自治体ごとの助成金・補助金
ここまで紹介してきたもの以外にも、市区町村などの自治体ごとに引っ越し時に利用できる助成金があるケースもあります。
たとえば新宿区では、一定の条件を満たせば以下のような助成金が利用できます。
- 民間賃貸住宅家賃助成
- 多世代近居同居助成
- 住み替え居住継続支援
- 次世代育成転居助成
申請方法や利用条件は自治体ごとに異なるので、引っ越した際には入居先の役所に利用できる助成金がないか確認するのがおすすめです。
勤務先から支給される手当
正社員として会社に勤務している方であれば、引っ越しの際に勤務先から住宅手当が支給されるケースもあります。
引っ越しなどのように大きな費用が発生する際には、所属している会社で必ず確認しましょう。
引っ越し時に補助金・助成金の対象になりやすい世帯とは
引っ越しの際、以下のような世帯の方は補助金や助成金の対象になりやすいです。
対象になりやすい補助金 | |
---|---|
新婚・子育て世帯 | 結婚新生活支援事業、次世代育成転居助成など |
ひとり親世帯 | ひとり親家庭住宅支援資金貸付など |
高齢者・障がい者世帯 | 高齢者世帯住替え助成事業、障害者・介護世帯民間賃貸住宅家賃等助成制度など |
親世代との同居をする世帯 | 三世代同居・近居支援住宅取得補助金など |
家の新築をする世帯 | 住宅ローン減税、すまい給付金など |
地方への移住をする世帯 | 移住支援金など |
収入が低い世帯 | 住宅確保給付金など |
それぞれ簡単に解説していきます。
新婚・子育て世帯
新婚された方や子育て世帯の方は、引越しの際に補助金を受けやすいでしょうう。
子育てをしていくうえでは良好な住環境を確保することが重要な上、教育費や食費など出費もかさみやすいことから、重点的に支援を行なっている自治体が多いです。
新婚・子育て世帯で引っ越しを考えている方は、利用できる制度がないか入居先の役所に問い合わせてみましょう。
ひとり親世帯
引っ越しの際に限らず、ひとり親世帯の方は利用できる補助金がたくさんあります。
ひとり親世帯の方、特に母子家庭の方は、家族が生活をしていく上で必要な収入を確保しづらいためです。児童扶養手当のように国から支給される補助金や、自治体ごとの支援策を積極的に活用しましょう。
高齢者・障がい者世帯
高齢者や障がい者の方がいる世帯は、国や自治体からの補助金を受給できる可能性が高いです。
また、自治体ごとに作られているバリアフリーの公営住宅への入居が優遇されるなど、引越しをする際に頼れる制度が用意されています。
親世代との同居をする世帯
高齢者の一人暮らしは、通常の生活に支障が出やすい他、急な病気の際に対応が遅れるなど、リスクが大きいです。
そのため、親世代との同居がしやすいように自治体ごとに支援制度がとられているケースが多いです。
家を新築する世帯
家を新しく建てる方は、長い間その市区町村に住み続けることになるはずです。そのため、自治体としても積極的に支援をしてくれる可能性が高いといえます。
地方へ移住する世帯
昨今テレワークの普及により、東京圏内から地方へ移住する方も増えています。
現在東京圏内(東京、神奈川、埼玉、千葉)に住んでおり、地方への移住をする方は、「地方移住支援事業」の補助金が適用される可能性があります。
これ以外に自治体ごとの支援策がある場合もあるため、地方への引越しをする際には、入居先の自治体ホームページなどで利用できる制度を確認するのがおすすめです。
収入が低い世帯
この記事で紹介してきたように、ほとんどの補助金・助成金は「所得◯◯円以下」という利用条件が定められています。
また、住宅確保給付金や生活保護制度などのように、低所得者向けに作られている制度もいくつかあります。
フリーターや学生の方でも利用できる制度があるので、引っ越しを検討している方は一度調べてみるのがおすすめです。
引っ越し費用を抑える方法
引っ越し費用を抑えるためには、以下の4つの方法を検討しましょう。
- 補助金・助成金を利用する
- 複数の業者に見積もりを依頼する
- 繁忙期を避けて引っ越しをする
- 引っ越し前に荷物をできる限り処分しておく
それぞれ簡単に解説していきます。
補助金・助成金を利用する
本記事で紹介したように、引っ越しをする際には国や自治体の補助金・助成金を利用できる可能性があります。
低所得の方や新婚世帯の方など、経済的に困っている方は一度自分の利用できる補助金が無いか確認してみましょう。
複数の業者に見積もりを依頼する
引っ越しにおいては、家賃や敷金礼金など以外に、引っ越し自体にかかる費用も用意する必要があります。
引っ越し業者を利用する場合には、必ず複数の業者に見積もりを依頼して、少しでも安いプランを用意してくれる業者を選ぶようにしましょう。
繁忙期を避けて引っ越しをする
就職や進学などで、たくさんの方の新生活が始まる3〜4月は、引っ越しにおける繁忙期です。
繁忙期だと引っ越し業者の費用も高くなりやすいので、特別な事情がなければ繁忙期を避けて引っ越しをするのがおすすめです。
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引っ越し前に荷物をできる限り処分しておく
引っ越しの費用は、業者に借りるトラックのサイズによって大きく変わります。
そのため、電化製品や家具などの荷物が多いと、その分引っ越しにかかる費用も高くなってしまいます。少しでも引っ越しにかける費用を抑えたい場合には、引っ越し前に不要な荷物をできる限り処分しておくのがおすすめです。
引っ越し費用を抑えるには専門家に相談しよう
引っ越しをする際には、さまざまな補助金や助成金を利用することで費用を抑えることができます。自治体ごとに補助金制度は異なりますので、引っ越し前にお住まいの地区の役所に相談してみましょう。
また、少しでも引越しにかかる費用を抑えるためには、優良業者への見積もり相談をするのがオススメです。
セーフリーでは優良な引越し業者を多数紹介しています。希望の条件に合った引越し業者が見つかったら、まずは問い合わせてみましょう。
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Q. 引っ越しの際に使える助成金・補助金は何?
A.住宅確保給付金や移住支援金、結婚新生活支援事業などです。また、自治体ごとの補助金がある場合もあります。
-
Q. 引っ越しの際に助成金を受け取りやすいのはどんな人?
A.所得の少ない方、新婚・子育て世帯、高齢者世帯などです。
-
Q. 自分が使える補助金がわからないときはどうしたらいい?
A.お住まいの自治体の役所に問い合わせましょう。
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