2023.09.30 2023.12.27
トイレの便器裏にこびりついた尿石は、多くの場合、自分自身で除去可能です。
ただし、自力で取り除くためには、具体的な手段や注意点などを把握しておかねばなりません。
適切な知識を身につけておけば、グッと楽になるトイレの尿石掃除。この記事では、トイレの便器裏にこびりついた尿石の除去方法を知りたい方へ向け、適切な対処方法を解説します。
目次
トイレ便座裏に尿石が溜まるメカニズム
トイレの便器や便座裏には、使用する度に少量の尿が蓄積します。
人体から排出される尿には尿素やナトリウムに代表される様々な成分が含まれており、細菌の作用により時間を掛けて硬質化、やがて尿石となります。
便座裏に蓄積した尿石は、便器に残留した尿が細菌によって変化した姿。尿石には雑菌が増殖し、不快なアンモニア臭の原因となります。
トイレ便座裏に溜まった尿石掃除前に!【知っておきたいポイント】
便座裏に蓄積した尿石を除去する前には、以下の内容を把握しておきましょう。
尿石汚れの特徴
尿石は多孔質(表面に小さな穴がたくさん開いている)であり、細菌や汚れが蓄積しやすい特徴を有しています。
発生した尿石は細菌や汚れの繁殖を促し、便器内の衛生環境に悪影響を与えます。尿石の発生は、新たな尿石やその他の汚れを誘発する特徴を備えています。
洗浄剤の液性と汚れの関係
尿石はアルカリ性の汚れです。汚れや洗浄剤には液性(物質を水に溶かした場合の液体の性質)があり、特定の汚れに対処するためには、液性同士の相互関係を知っておく必要があります。
洗浄剤の液性と友好的な汚れ種類
- 酸性洗浄剤:尿石や水垢、黒ずみなどのアルカリ性汚れに有効
- 中性洗浄剤:汚れを選ばない万能タイプ。洗浄力は低め
- アルカリ性洗浄剤:手垢や皮脂汚れなど、酸性汚れに有効
トイレ便座裏に溜まった尿石の掃除方法【重症度別】
便座裏に溜まった尿石の除去方法を、状態別に解説します。
作業前には、安全のために止水栓を閉じてください。(止水栓は便器本体脇の配管に設置されています)
中性洗剤【軽度】
汚れの状態が軽度の便座裏では、付着した尿は完全に尿石化していません。使用する洗浄剤には、素材に対する刺激の少ない中性洗剤を選択しましょう。
具体的な掃除手順
- 中性洗剤を便座裏に振りかける(スプレータイプが便利)
- トイレットペーパーやトイレ用クイックルで尿石部分を拭き取る
- 乾拭きで便座裏の水気を除去する
酸性のトイレ洗浄剤【中度】
汚れの状態が中度の便座裏には、固まった尿石を視認できます。尿石化した汚れには、アルカリ性の汚れに効果的な酸性洗浄剤を使用します。
具体的な掃除手順
- 酸性洗剤を便座裏に吹き掛ける
- 数分〜数十分程度時間をおく
- ブラシや綿棒(細かい隙間用)などで軽く擦りながら尿石を落とす
- トイレットペーパーやトイレ用クイックルで洗剤ごと拭き取る
- 乾拭きで便座裏の水気を除去する
クエン酸水【中度】
中度の尿石除去には、クエン酸水を使用する方法も効果的です。
具体的な掃除手順
- クエン酸水を準備する(水200mlに対し、クエン酸小さじ1杯を混ぜる)
- クエン酸水をスプレーボトルに移し、便座裏の尿石に吹き掛ける
- 尿石部分にトイレットペーパーを貼り付け、数十分時間をおく
- ブラシや綿棒で汚れを落とす
- トイレットペーパーを剥がし、汚れを拭き取る
- 乾拭きで便座裏の水気を除去する
尿石専用洗浄剤【重度】
完全にこびりついてしまった尿石には、尿石専用の洗浄剤を使用しましょう。
具体的な掃除手順
- 尿石専用洗浄剤を頑固な尿石部分にかける
- 数十分程度時間をおく
- ブラシや綿棒で汚れを落とす
- トイレットペーパーやトイレ用クイックルで洗浄剤ごと汚れを吹き取る
- 乾拭きで便座裏の水気を除去する
サンドペーパー【重度】
上述の方法で尿石が取り除けない場合には、サンドペーパー(紙やすり)を使用します。
具体的な掃除手順
- サンドペーパーを水に浸す
- 尿石部分を擦る(力加減に注意)
- トイレットペーパーやトイレ用クイックルで汚れを拭き取る
- 乾拭きで便座裏の水気を除去する
トイレ便座裏に溜まった尿石掃除に!【おすすめアイテム】
便座裏の尿石除去に必要な道具をご紹介します。掃除の前には尿石の状態を確認し、適した道具を準備しておきましょう。
尿石除去の必須アイテム | +軽度の場合 | +中度の場合 | +重度の場合 | |
---|---|---|---|---|
お掃除道具リスト | 雑巾・タオル トイレットペーパー トイレ用クイックル ゴム手袋 マスク |
中性洗剤 | 酸性洗剤 クエン酸水 ブラシ 綿棒 |
尿石専用洗浄剤 サンドペーパー ブラシ 綿棒 |
トイレ便座裏に溜まった尿石掃除の際の注意点
便座裏の尿石を除去する際には、知っておきたい注意点があります。具体的な作業に入る際には、以下の内容に留意してください。
トイレ(便器)の素材をチェックする
一般的なトイレは陶器製のものが多いですが、便座の素材には部分的にプラスチックや金属が使用されている場合があります。
強力な酸性洗浄剤やサンドペーパーは効率的に尿石を除去できますが、同時に便座裏の素材を傷つけてしまうリスクを孕んでいます。
中度〜重度の尿石を除去する際には、トイレ本体や使用されている部品の素材をチェックしましょう。洗浄剤の使用量や、汚れを落とす際の力加減には十分注意してください。
酸性洗剤と塩素系漂白剤を併用しない
トイレ用の洗浄剤は、汚れの種類や特徴に合わせて様々な製品が展開されています。ただし、酸性洗剤と塩素系漂白剤を使用する際には注意が必要です。
酸性と塩素系の洗浄剤を混ぜ合わせると、人体に有毒なガスが発生する危険性があります。窓がないトイレでは有毒ガスが充満してしまう恐れがあるため、併用してはいけません。
換気を怠らない
尿石の掃除中には、尿石のアンモニア臭はもちろん、洗浄剤の成分や匂いなどがトイレ内に蓄積します。窓やドアを開け、定期的に空気を循環させましょう。
トイレ便座裏に尿石が溜まるのを予防するには
頑固な尿石汚れの除去には、それなりの手間が必要です。
尿石汚れに困らないためには、日常的に実践できる予防策を試してみましょう。
便器は座って使用する
尿石の発生原因は飛び散った尿です。
尿石の蓄積を少しでも予防するためには、尿の飛び散りを防止しなければなりません。便器を座って使用すれば、尿の飛び散りを最小限に留められます。
定期的な簡易掃除
便器や周辺に飛び散った尿は、すぐに尿石化するわけではありません。尿が残っている場合でも、速やかに除去できれば尿石化を防止できます。
トイレ用クイックルなどを使用し、定期的な簡易掃除(最低週に一回程度)を実践しましょう。日常的に尿の成分を除去できれば、頑固な尿石に悩まされずに済むでしょう。
便器のコーティング剤を活用する
最近では、便器内部や表面の汚れを防止できる便利な製品が展開されています。中でも、尿石防止には便器のコーティング剤が効果的です。
便器や便座裏の表面に直接吹き掛けるだけで防汚成分が流れ出し、水を流す度に表面をコーティングしてくれます。尿石対策には、おすすめのアイテムです。
トイレ便座裏に溜まった頑固な尿石除去は専門業者へ
トイレの便座裏に溜まった尿石は、自力で除去可能です。作業前には、尿石の状態や便器の素材、使用する洗浄剤を適切に選択しましょう。
ただし、長年蓄積した頑固な尿石が固まっている場合や、便器も黒ずんでいてあまり触りたくない場合など、自分ではどうにもならない状態であれば、無理な自力対処はおすすめできません。
対応に困ったときには、トイレ掃除専門の業者に依頼する方法が有効です。専門業者であれば、素人には難しい尿石の除去やトイレ掃除も請け負ってくれます。
トイレ便座裏に蓄積した尿石に悩んでいる方は、トイレ掃除専門の業者へ依頼してみてはいかがでしょうか?
トイレ掃除の盲点「便座裏」【尿石のこびりつき除去方法を徹底解説】のよくある質問
-
Q. トイレの便座裏が汚れる原因はなんですか?
A.主な原因は、飛び散った尿です。便座裏に付着した尿はやがて尿石化し、頑固な汚れとなります。
-
Q. 便座裏に尿石が溜まる理由を教えてください。
A.飛び散った尿が便座裏に付着するからです。
-
Q. トイレの便座裏の尿石はどうやって落としますか?
A.尿石の状態(軽度・中度・重度)により適切な方法が異なります。軽度の場合には、中性洗剤を使用しましょう。中度〜重度では、状態に合わせて酸性洗剤・尿酸専用洗浄剤を選択します。
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