2024.04.07 2024.04.07
本記事では、ヤマトシロアリの羽アリについて詳しく解説します。
日本で発生するシロアリの中で、最も被害件数が多く代表格とされるシロアリが「ヤマトシロアリ」。ヤマトシロアリの羽アリは春の訪れとともに飛来するため、暖かくなってきた頃に見かけるのはヤマトシロアリである可能性が高いです。
ヤマトシロアリ独自の行動パターンや、発見時の応急処置方法やNG行動などを、わかりやすくご紹介していきます。
記事後半では羽アリの予防方法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ヤマトシロアリの羽アリは見た目が黒い?【特徴一覧】
まず、ヤマトシロアリの見た目の特徴を解説していきます。シロアリと言うものの、ヤマトシロアリの羽アリは見た目が黒いため、クロアリの羽アリとの比較もあわせて表にまとめました。
項目 | 特徴 | クロアリとの見分け方 |
---|---|---|
色 | 胴体は黒っぽい | 黒なので色だけで見分けるのは難しい |
体型 | 寸胴 | くびれがあり、頭部・胸部・腹部に分かれる |
触角 | まっすぐで短く、数珠状に伸びている | くの字に曲がり、長い |
羽アリの翅 | 前後の翅(はね)の長さが同一 模様が細かい 羽が取れやすい |
頭側の前翅の方が後翅より長い 模様が大きい 羽が取れにくい |
一見、色では区別しづらいため、体型や触角を確認すると良いでしょう。また、シロアリの羽アリは羽を落とすので、胴体が黒っぽいにもかかわらず半透明の羽だけが地面に散らばっている場合は、ヤマトシロアリの可能性が高いとも言えます。
ヤマトシロアリの羽アリの発生時期・活動条件
次に、ヤマトシロアリの羽アリの発生時期や活動条件をお伝えします。
こちらも表にまとめたので、ご確認ください。
項目 | 特徴 | 詳細 |
---|---|---|
時期 | 4月中旬~5月に飛来 | 日本で生息するシロアリの羽アリの中で一番最初に飛びはじめる |
湿度 | 雨上がりの湿気を好む | シロアリの中でも一番多湿を好む |
気候 | 24℃以上の風のない日を好む | 気温が上がる季節に向けて繁殖をはじめる |
時間帯 | 午前中~昼過ぎにかけて活動 | イエシロアリは夕方~夜にかけて活動 |
時期や時間帯は各シロアリによって違います。早い時期、早い時間帯に活動する点がヤマトシロアリの大きな特徴と言えます。
羽アリを含めたヤマトシロアリの生態
次に、ヤマトシロアリの生態について解説していきます。以下4点が、ヤマトシロアリを特徴づけるポイントでしょう。
- 活動範囲が広い
- シロアリの中でも特に湿気を必要とする
- 木材の中に巣をつくる
- 地中やコンクリートに蟻道を作る
それぞれ確認していきます。
活動範囲が広い
ヤマトシロアリは比較的寒さに強く、北海道の北部を除く日本全国に生息しています。日本のシロアリ被害の中でヤマトシロアリによる被害件数が一番多い傾向は、広い活動範囲に比例していると言えます。
シロアリの中でも特に湿気を必要とする
ヤマトシロアリは、シロアリの中で最も湿気を好みます。
同じく日本に生息するイエシロアリが、自ら水分を運ぶ能力があることに比べ、ヤマトシロアリは自ら水分を確保しづらいため、水分量が多い場所にそのまま住み着く必要があるのです。
必然的に、水まわりや床下などの湿度が高い場所に生息しています。
木材の中に巣をつくる
ヤマトシロアリの特徴として、湿った木材を食べながらそこに巣を作ります。外部から持ち込んだ土を詰めるだけの簡易的な巣で、食い散らかした後は、湿度が高くエサになる木材が豊富な場所を求めて、集団で移動します。
つまり、巣と食害場所が同じ場所である場合が多いです。特に湿度のたまりやすい水まわりや、床下の木材に居座り、被害を拡大していきます。
地中やコンクリートに細長く蟻道を作る
ヤマトシロアリの蟻道は、細長いひも状です。行動範囲自体はそこまで広くありませんが、湿った場所を求めて木材以外にも蟻道をのばします。
水分量の多い地中や、配管周りのコンクリートのひび割れた隙間を伝って蟻道をはりめぐらせ、住宅の基礎部分に大きな被害をもたらします。
ヤマトシロアリの羽アリを見つけた時の応急処置方法
ヤマトシロアリの羽アリを見つけた時の、応急処置方法をお伝えします。あくまでも応急処置として、その後はすみやかに業者に相談することが大前提です。
- 掃除機で吸いこむ
- ポリ袋を使う
- 粘着テープで取る
- 羽アリを家の中に入れないようにする
順番に見ていきましょう。
掃除機で吸いこむ
ヤマトシロアリを取り急ぎ駆除するには、掃除機で吸いこむ作業がおすすめです。
羽アリは掃除機の吸引力に耐えられないので、吸い込むと死滅します。掃除機を使う際に注意する点は、殺虫剤をかけてしまった時。直前に引火性の殺虫剤を使用した場合、掃除機内部のモーター部に引火する危険性があります。
そもそもシロアリに殺虫剤を使用すべきでない理由は、のちの項目で解説しています。
ポリ袋を使う
羽アリの発生場所が特定できる場合は、出入り口をポリ袋などで塞ぐ方法もあります。湿気がたまりやすい玄関、浴室、床下近く、出入り口が多い傾向があります。
手順は以下の通りです。
- 出入り口をポリ袋で塞いでガムテープで固定する
- シロアリの出入りが収まるタイミングで、袋の中に殺虫剤を吹きかける
- 密閉する
ポリ袋内のシロアリの特徴から種類を見分けられるため、処分せずに業者に確認してもらうと良いでしょう。
粘着テープで取る
羽アリの数がそこまで多くなく、手の届く位置で確認できる場合は、粘着テープをつかって駆除する手段もあります。
シロアリを粘着テープで張り付け、まとめて捨てるだけ。夜中など、掃除機の音を出したくないときに便利な方法です。
粘着テープを確認すれば、シロアリの種類を見分けられます。もしヤマトシロアリでない羽アリが発生しているのであれば、駆除方法が変わる場合もあるので、業者に見せると良いでしょう。
羽アリを家の中に入れないようにする
羽アリは繁殖の役目を担っているため、ヤマトシロアリの羽アリが家の中に入ると、家具や建材などの木材を巣にして繁殖してしまいます。家の外で羽アリを見かけた時には、窓や網戸を閉めるなどして、家の中に入れないようにしてください。
同時に、家の外だからとそのまま放置せずに、早急に業者に相談しましょう。羽アリが発生しているということは、既に床下などに巣を作っている可能性も高いです。
ヤマトシロアリの羽アリを見つけた時のNG行動
ヤマトシロアリの羽アリを見つけたときに、殺虫剤を使用した駆除方法はNGです。
殺虫剤には、虫が嫌って逃げる忌避剤が含まれています。生き残った羽アリが殺虫剤の忌避効果により周辺へ逃げてしまうと、巣の中のシロアリ全体を根絶させることがより難しくなります。
特にヤマトシロアリは警戒心がかなり強く、少しでも身の危険を感じるとすぐに別の場所に移動するため、殺虫剤は使用すべきではないです。
基本的に見えない箇所で生息しているヤマトシロアリは、人目につく羽アリだけ駆除しても全滅はできません。駆除は素人には難易度が高いので、専門業者への依頼すべきです。
ヤマトシロアリの羽アリを予防する方法
日常生活で、ヤマトシロアリの羽アリ発生の予防につながる対策をお伝えします。
- 常に換気を意識する
- 押し入れなどにダンボールや本をためない
- 水漏れや雨漏れを放置しない
- 業者に予防・駆除してもらう
それぞれ順番に解説していきます。
常に換気を意識する
シロアリの中でも一番乾燥に弱いヤマトシロアリの予防には、定期的な換気が効果的。ヤマトシロアリが巣を作りやすい床下に、通気口を作るなどの処置もシロアリ発生を防げるでしょう。
設備工事だけでなく、通風口まわりを掃除したり、庭木を剪定して日当たりをよくしたりする作業も効果的です。
押し入れなどにダンボールや本をためない
押入れやクローゼットは、床下や水まわり以外でシロアリが発生しやすいエリアです。
通気性が悪い場所に、ダンボールや本などが積み込まれている状況は、ヤマトシロアリにとって天国のような環境なのです。
水漏れや雨漏りを放置しない
シロアリの中でも特に湿気を好むヤマトシロアリは、日本で一番行動範囲が広いとお伝えしました。
高温多湿のエリアではないからと安心していても、水漏れや雨漏りを放置しておくことでたまる湿気に、ヤマトシロアリは反応します
家の老朽化にもつながるので、水漏れや雨漏りは放置せずすぐに修繕してください。
業者に予防・駆除してもらう
定期的な予防や駆除が最も効果的な対策でしょう。
ホームセンターなどで販売されている駆除剤の効果は短く、業者が使用するプロの薬剤に比べ頻繁に散布する必要があります。
専門業者の駆除・予防工事は5年間の保証が付けられていることがほとんど。点検もしてもらえるため、5年に1度を目安に駆除・予防してもらいましょう。
ヤマトシロアリの羽アリ予防・駆除が得意な業者の選び方
数あるシロアリ駆除業者の中から、安心してヤマトシロアリの駆除を任せらせる業者の選び方をお伝えします。
- 実績や口コミを確認
- 見積もりが明瞭な業者
- 日本しろあり対策協会の会員
実績や口コミを確認
依頼する業者が法人の場合、まずは公式ホームぺージの会社概要を確認しましょう。所在地や創立年、シロアリの種類ごとの施工事例などがしっかりと記載されている業者が安心です。
社歴が長く実績も豊富であれば、悪徳業者である可能性も低くなります。
余計なトラブルを発生させないためにも、シロアリ駆除工事の実績が豊富か、シロアリ防除施工士の資格を有しているかなどをポイントとして、口コミと併せて事前に確認しましょう。
見積もりが明瞭な業者
対応面で一番重要な点として、事前見積もりの内容をしっかり確認してください。上記の通り実績が豊富で口コミ評価が高い業者ほど、明瞭な見積りをて提示してくれるはずです。
見積もりを項目ごとに確認し、少しでも疑問に思う点はしっかり質問しましょう。作業後、見積もりにない追加料金を請求されるケースも少なくないため、事前の確認は必須です。
日本しろあり対策協会の会員
「公益社団法人日本しろあり対策協会」というシロアリ駆除業者に向けた協会が存在します。
日本しろあり対策協会は、国土交通大臣から認可を受けたシロアリ駆除業者のみが加入できるシステム。協会加入のハードルは高いものの、加入後は定期的に講習会や資格取得へのサポートが実施されています。
日本しろあり対策協会の会員なら、一定以上のクオリティが約束されると考えて良いでしょう。しかし、日本しろあり対策協会と似た名称を使っている業者も存在するので、表記には注意が必要です。
ヤマトシロアリの羽アリを見つけたら
本記事では、ヤマトシロアリの羽アリの生態や発生時期などについて解説しました。
4月~5月に飛来し始めるヤマトシロアリの羽アリは、羽アリシーズンのトップバッター。暖かくなってきた時期に羽アリを見かけたら、早めに専門業者に相談しましょう。
比較サイトのセーフリーを利用すれば、実績や口コミに定評のある専門業者を一括見積もりできます。ヤマトシロアリをはじめ、シロアリの種類に応じて対応できる優良業者が揃っていますので、ぜひご活用ください。
ヤマトシロアリの羽アリを解説!予防・応急処置と業者選定のポイントものよくある質問
-
Q. 羽アリはすべてヤマトシロアリですか?
A.羽アリとは、シロアリが生息する上で役割分担されているひとつの形態です。そのため、シロアリの種類ごとに羽アリは存在します。
-
Q. ヤマトシロアリが嫌うものや環境を教えてください。
A.ヤマトシロアリは、シロアリの中でも一番乾燥に弱いです。風通しがよく、湿度の低い場所を嫌います。
-
Q. ヤマトシロアリの羽アリを見つけたらどうすればいいですか?
A.まずは応急処置として、掃除機などで吸い込みましょう。殺虫剤を直接拭きかけるのは逆効果です。その後は早急に業者に相談してください。
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