車の引っ越し

引っ越しで車はどうしたらいい?輸送手段や手続きの注意点を解説

2024.03.03 2024.03.03

本記事では、引っ越し時の車の扱いについて解説していきます。

「車の運搬まで”引っ越し”業者に頼めるの?」

「車の運搬を業者に依頼するとどれくらい費用がかかる?」

こんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

車の運搬を業者に依頼する際には、注意点をしっかり押さえておかないと、費用がかさんだり思わぬトラブルが起きたりする可能性もあります。

また、記事後半では引っ越した後の車の手続きについても解説します。ぜひ参考にしてください。

引っ越しで車を新居に運ぶ方法

車の引っ越しをする女性

引っ越し時の車の扱いは、主に以下の4つが挙げられます。

  • 引っ越し業者に依頼して運んでもらう
  • 車の陸送業者に依頼して運んでもらう
  • 自分で運転して運ぶ
  • 引っ越しを機に処分して現地購入する

それぞれについて、メリット・デメリットなども比較しながら解説していきます。

引っ越し業者に依頼して運んでもらう

引っ越しの作業を引っ越し業者に依頼した場合、車も一緒に運んでもらうこともできます。

車の輸送までを引っ越し業者に依頼する際のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット ・複数の業者に依頼せずに済むので手間がかからない
・引っ越し日に合わせて車を引き取ってもらえる
デメリット ・車の輸送専門の業者に頼むよりも割高になる

引っ越し業者に車の輸送まで依頼する大きなメリットは、他の荷物の運搬と一括して受け持ってくれるため、とにかく手間がかからずに済むという点です。

ただし、車の運搬に必要な車両運搬車(キャリアカー)などを持っている引っ越し業者は少ないため、その業者が提携している専門業者が別途車の運搬のみ担当するケースが多いです。

その場合、仲介手数料が発生するため、車の輸送業者を自分で探して依頼するよりは割高になってしまいます

車の陸送業者に依頼して運んでもらう

車の輸送のみを、専門の陸送業者に依頼することも検討しましょう。

陸送業者に依頼して車を運んでもらう際のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット ・引っ越し業者に依頼するよりは費用が安くなる
・自動車輸送のノウハウが豊富で、作業員やサービスの質が高い
・追加料金を支払えば、車の住所変更などの手続きまで受け持ってくれる
デメリット ・引っ越し業者とは別で手続きが必要なので手間がかかる

車の陸送業者は、車を運搬することに特化しているため、引っ越し後に必要な手続きまでもセットで行ってくれるなど、サービスの質が高いのが特徴です。

その代わり、引っ越し自体を引っ越し業者に依頼している場合には、複数の業者と連絡を取り合うことになるため、それなりの手間がかかります。

自分で運転して運ぶ

現在の家から新居まで、自分で運転して車を運ぶ場合のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット ・交通費や輸送費など、費用を節約できる
・一緒に荷物も積めば引っ越し自体の費用も節約できる
デメリット ・長距離の移動の場合は疲労や事故が心配

業者に依頼せずに自分で運転して車で運べば、輸送費を大きく節約できる可能性が高いでしょう。

ただし、遠距離の引っ越しの場合には、長時間運転することになります。引っ越し作業の疲労も重なって事故を起こす危険もあるため、慎重に判断してください。

引っ越しを機に処分して現地購入する

現在使っている車が古くなっている場合には、引っ越しを機に処分して、引っ越し先で新しい車を購入するという選択肢も良いでしょう。

引っ越しを機に車を処分する際のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット ・車を輸送する費用を省ける
デメリット ・車を処分する際にも書類の準備や手続きが必要になる

引っ越し前に車を処分する際には、以下のような書類が必要になるので事前に揃えておきましょう。

  • 解体証明書
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • ナンバープレート
  • 車検証
  • 住民表
  • 抹消登録申請書(陸運局で入手)
  • 手数料納付書(陸運局で入手)

引っ越し時の車の輸送費の相場

車の引っ越しを案内する女性

引っ越し時に車を新居に輸送する3つの手段それぞれの輸送費の相場は以下のとおりです。

近距離の引っ越し(100km圏内) 遠距離の引っ越し
引っ越し業者に依頼する 3~4万円 4~10万円
陸送業者に依頼する 2~3万円 3~9万円
自分で運転して運ぶ ガソリン代のみ 1~2万円(ガソリン代+高速代)

陸送業者や引っ越し業者に車の輸送を依頼する場合は、近場への引越しであっても2万円程度の費用は必要です。

東京から大阪といった長距離の引っ越しの場合は、3~10万円とかなりの費用がかかります。3月などの引っ越し繁忙期だと、費用がさらに高くなる傾向があるので注意しましょう。

また、引っ越し業者は仲介手数料がかかる分、陸送の専門業者に依頼するよりも1~2万円程度費用が高くなります。自分で車を運転して運べば、ガソリン代と高速道路代のみに抑えられますが、その分大変でしょう。

引っ越しで車の輸送を業者に依頼する際の注意点

引っ越しで車の輸送を引っ越し業者や陸送業者に依頼する際には、以下の4点に注意しましょう。

  • 車体の傷や走行距離の写真を撮っておく
  • 車内の荷物を片付けておく
  • ガソリンを抜かなくてはいけない場合がある
  • 到着日を確認する

それぞれ簡単に解説していきます。

車体の傷や走行距離の写真を撮っておく

車の輸送を業者に依頼すると、業者側が傷の有無などの確認のために写真を撮ってくれるケースが多いです。

その際に、自分でも車体や走行距離計の写真を撮っておくのがおすすめです。

自分でも写真を撮っておけば、万が一輸送中に車に傷がついた際に、業者との交渉材料になります。

車内の荷物を片付けておく

車の輸送を業者に依頼する際には、作業員が車内に乗り込むことになります。

輸送後に車内の荷物が紛失していたなどのトラブルを防ぐために、事前に車内の荷物を片付けておきましょう。

また、車内に荷物が残っていると、輸送時の急ブレーキなどで車内に傷をつけるなどの原因になる可能性もあります。

ガソリンを抜かなくてはいけない場合がある

車の輸送を依頼した業者には、ガソリンを抜いておくべきかどうか確認しておくのがおすすめです。

輸送時に車にガソリンが残っていると、爆発や引火事故などの危険があるため、事前にガソリンを抜いておくよう業者から依頼されるケースもあります。

引っ越し直前まで車を使いたい場合には、ガソリンを抜く作業時間を確保しておきましょう。

到着日を確認する

車の輸送を業者に依頼する場合は、新居への到着日を確認しておきましょう。

引っ越し業者や陸送業者に車の輸送を依頼する場合には、輸送開始から到着まで2~4日かかるケースも多いです。

新居に到着後にすぐ車を使いたいと考えている場合には、到着日を調整してもらえないか相談すると良いでしょう。

引っ越しの際に必要な車の手続き

車の引っ越しをする業者

引っ越しの際には、車について以下の4つの手続きが必要になります。

  • 運転免許証の住所変更
  • 車検証の住所変更
  • 車庫証明の変更
  • 自動車損害賠償責任保険の住所変更

それぞれ簡単に解説していきます。

運転免許証の住所変更

引っ越しが済んだら、まず最初に運転免許証の住所変更をしておきましょう。

運転免許証の住所変更をしておかないと他の手続きもできないため、引っ越し後できるだけ速やかに行っておく必要があります。

運転免許証の住所変更の手続きをする場所と、準備するものは以下のとおりです。

手続き場所 ・住所を管轄する警察署

・運転免許試験場や運転免許更新センター

準備するもの ・免許証

・引越し先の住所が証明できる書類

・印鑑

 

仕事などの都合により住所変更手続きの時間が取れない場合には、一緒に住んでいる同一世帯の親族に代理で依頼することもできます

代理人に住所変更をしてもらうには、本人と親族であることがわかる住民票と、代理人の身分証明書が必要になるので準備しておきましょう。

車庫証明の変更

引っ越し後15日以内に、車庫証明の手続きをしなくてはいけません。

車庫証明の手続き場所や準備するものは以下のとおりです。

手続き場所 住所を管轄する警察署
準備するもの ・自動車保管場所証明申請書

・自動車保管場所標章交付申請書

・保管場所使用権原疎明書面

・保管場所の所在地・配置図

・収入印紙

・印鑑

 

車庫証明には、手数料として2000〜3000円ほどが必要です。(地域により異なる)

引っ越しで車の使用者の住所が変わるため、車庫証明の変更手続きは必ず行います。近場の引っ越しなどで車庫の場所が変わらないとしても、車庫証明の変更手続きは必須なので注意してください。

車検証の住所変更

車庫証明の変更手続きが済んだら、次は車検証の住所変更手続きが必要です。

車検証の住所変更の際は、以下の情報をご活用ください。

手続き場所 ・普通自動車の場合:住所を管轄する運輸局

・軽自動車の場合:軽自動車検査協会事務所

準備するもの ・現在の車検証

・手数料納付書

・住民票(発行から3か月以内)

・自動車保管場所証明書

・申請書

・自動車税・自動車取得税申告書(申請先で入手可能)

 

車検証の住所変更には登録手数料350円がかかり、住所の管轄が変わる場合にはナンバープレート変更代(1500~3000円ほど)が必要です。

自動車損害賠償責任保険の住所変更

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の住所変更も忘れずに行っておきましょう。

自賠責保険の住所変更に必要な書類などは、以下のとおりです。

手続き場所 ・保険会社の窓口または郵送
準備するもの ・自賠責保険証明書(原本)

・契約者の印鑑

・登録番号が変更になったことがわかる書類(車検証)

自賠責保険の住所変更手続きは、保険会社の窓口に行けば即日完了します。

郵送で手続きをしたい場合には、自分の加盟している保険会社のカスタマーセンターに連絡して、申請に必要な書類を送付してもらい、必要書類を返送しましょう。

引っ越しで車の手続きをしないとどうなる?

引っ越しで車の手続きをしないと、以下のようなリスクがあります。

  • 罰金が課せられる
  • 税金や保険の通知が届かない
  • 事故の際に保険が効かない可能性がある
  • 不具合やリコールに関する案内が届かない

それぞれ簡単に解説していきます。

罰金が課せられる

引っ越した際の各種手続きのなかでも、運転免許証と車庫証明、車検証の住所変更は法律により義務付けられています。

車庫証明および車検証は、法律で定められている引っ越し後15日以内に住所変更を行わないと、それぞれ以下のような罰金が課せられます。

車庫証明 10万円以下
車検証 50万円以下

運転免許証の住所変更については、特に期限は定められていませんが、車庫証明や車検証の住所変更手続きをするためには運転免許証の住所も変更しておく必要があります。

罰金を受けないためにも、引っ越し後は速やかに住所変更の手続きをしておきましょう。

税金や保険の通知が届かない

自動車に関する税金の通知は、車検証に登録された住所へ届きます。

そのため、車検証の住所変更を怠ると税金の通知が届かず、未納となってしまう可能性があります。税金が未納になっていると、後になって未納分を一括請求されたり、未納がさらに続くと銀行口座の差し押さえを受けたりするリスクもあります

また、自賠責保険の住所変更を忘れていると、保険会社からの通知を受け取れず金銭的に損をする可能性があります。

事故の際に保険が効かない可能性がある

事故や盗難など、自賠責保険を適用したい状況になった際に、住所変更を行なっておかないと保険が効かない可能性があります。

一般的に、住所や氏名などの情報に変更があった際には、保険会社に伝えなくてはいけないという契約上の義務があります(通知義務)。

通知義務を怠ると、契約違反となり保険が効かない可能性があるので、必ず自賠責保険の住所変更を行なっておきましょう。

不具合やリコールに関する案内が届かない

自分の所有している自動車に関する不具合やリコールに関する案内は、車検証に登録されている住所に届きます

そのため、車検証の住所変更を怠ると不具合やリコールに関する案内を受け取れないリスクがあります。

リコール対象の部品が搭載された自動車にそのまま乗り続けるのは危険です。重要な案内を受け取れるためにも、必ず住所変更しておきましょう。

各種手続きが面倒な場合の対処法

引っ越しに伴う車の各種手続きが面倒な場合には、以下の対処法もおすすめです。

  • ディーラーに依頼する
  • 行政書士に依頼する
  • 車検証と車庫証明の変更手続きはオンラインで申請する

それぞれ、かかる費用なども合わせて簡単に解説していきます。

ディーラーに依頼する

自動車メーカーと専売契約をしている正規ディーラーから自動車を購入した場合には、アフターサービスとして引っ越し時の各種手続きを代行してくれる可能性があります。

引っ越し時の各種手続きをディーラーに依頼した際の費用相場は1〜3万円ほどです。

普段から懇意にしているディーラーがいる場合には相談もスムーズになるため、手続きの代行を依頼できないか聞いてみるのがおすすめです。

行政書士に依頼する

行政書士とは、役所などの行政機関に関する書類作成の専門家です。

自動車関連の手続きを得意としている行政書士事務所に依頼すると、手続きをスムーズに進められます。

行政書士に依頼する際の費用相場は5,000円〜2万円ほどです。

費用は事務所によって差があるので、複数の事務所に見積もりをとるのがおすすめです。

車検証と車庫証明の変更手続きはオンラインで申請する

2019年から、車検証および車庫証明の変更手続きがオンラインで申請できるワンストップサービス(OSS)が開始しました。

オンライン申請を活用すれば、車検証や車庫証明の変更のために警察署などに出向く手間と時間をかけずに済むため、それ以外の引っ越し手続きをスムーズに進められるはずです。

2024年2月現在では、普通自動車だけでなく軽自動車もOSSが利用できるようになっています。

車の引っ越しに関しては業者に相談してみよう

長距離の引越しの場合などは、自身で車を運搬するのは大変です。

引っ越し業者によっては、オプションサービスとして車の運搬に対応してくれる可能性もあるので、ぜひ業者への依頼も検討してください。

セーフリーでは多くの優良引っ越し業者を紹介しております。

気になった業者があれば、まずは見積もりをとってみてください。

引っ越しで車はどうしたらいい?輸送手段や手続きの注意点を解説のよくある質問

  • Q. 引っ越しで車を運ぶにはどうしたらいい?

    引っ越し業者や陸送の専門業者に依頼するか、自分で運転して運ぶ方法があります。

  • Q. 車の輸送を業者に頼むのはいくらかかる?

    引っ越し業者に依頼すると3〜10万円ほど、陸送業者に依頼すると2〜9万円ほどです。

  • Q. 引っ越しの際に車に関して必要な手続きは?

    運転免許証、車庫証明、車検証、自賠責保険の住所変更手続きが必要です。