エアコン吹き出し口のカビはどうする?【原因や人体に与える影響を解説】
2023.06.08 2023.06.08
エアコン内部に増殖したカビは、人体に様々な悪影響をもたらす可能性があります。室内やエアコン内部において、特定の条件が重なり増殖するカビ。
この記事では、エアコンの吹き出し口に発生するカビの原因や起こる得るリスク、効果的な対策について解説します。
目次
エアコン吹き出し口にカビが発生する原因
エアコンの吹き出し口にカビが発生する原因は、一つではありません。カビは様々な条件が重なり発生・増殖します。カビ発生の主な原因をまとめました。
室内環境
カビは高温多湿の環境を好みます。一般的には、「気温20℃〜30℃程度、かつ湿度70%程度」がカビにとって最適の環境と考えられています。
日本は高温多湿な地域が多く、年間を通してカビの発生・増殖に適した室内条件が整いやすい環境です。特に梅雨時期はカビの好む環境が継続しやすく、他の時期に比べ、カビの発生リスクが高まります。
エアコンの内部構造
エアコン内部は密閉されており、もともとかなり通気性が悪い構造をしています。
エアコン稼働時は、アルミフィン(熱交換器)などの部品で継続的に結露が発生します。この結露により、密閉されたエアコン内部の湿度は急上昇。その結果、カビの発生・増殖に最適な湿度・温度が保たれます。
エアコンには、構造的にカビが発生・増殖しやすい環境が整っているのです。
汚れの蓄積
エアコン内部には、湿気とともにホコリなどの汚れも蓄積しています。カビはホコリなどを養分として増殖。蓄積している汚れが多ければ多いほど、カビの増殖リスクも高まります。
掃除していないエアコンの内部では、外から見えなくてもカビが発生している可能性は十分考えられます。
エアコン吹き出し口のカビの種類は?
室内には様々な種類のカビが発生します。エアコンの吹き出し口はもちろん、日常生活の中で関連性のある代表的なカビの種類と特徴は、以下の通りです。
黒カビ(クラドスポリウム)
エアコンの吹き出し口や、浴室の壁などに発生するカビです。黒く斑点のような見た目の特徴から、黒カビと呼ばれています。室内に発生する代表的なカビの一種であり、湿度の高い場所や生活用水が流れる周辺などで目にする機会が多いでしょう。
発生・増殖する媒体を選ばず、様々な場所(エアコン以外にも床や食品など)に発生し、空気中にも浮遊しています。
学名 | クラドスポリウム |
色・形 | 黒および濃い深緑色、楕円形のような不定形 |
室内成育環境 | 水回り、家電機器や壁、食品や衣類など |
ススカビ(アルテルナリア)
黒カビと同様に、室内に発生しやすい代表的なカビの一種です。胞子が非常に軽く、空気中に飛散して室内を漂っているため、「空中浮遊真菌」とも呼ばれます。エアコン内部に吸い込まれやすく、吹き出し口にも蓄積しやすいカビです。
湿度を好み、エアコンの吹き出し口以外にも、浴室や排水口、シャワーカーテンなどの水回りや、壁や本棚、食品にも発生します。
学名 | アルテルナリア |
色・形 | 黒、スス状 |
室内成育環境 | 水回り、家電機器や壁、食品など |
赤カビ(フザリウム)
本来は植物に寄生する植物病原菌です。赤や桃色のような鮮やかな色味が特徴であり、古くなった食品に発生・増殖するカビの一種として知られています。
ただし、他種のカビと同様に湿度を好み、金属やプラスチックなどにも発生します。エアコンの吹き出し口やフィルターでも注意が必要です。
学名 | フザリウム |
色・形 | 赤や桃色(一部の種) |
室内成育環境 | 水回り、食品、金属やプラスチックなど |
コウジカビ(アスペルギルス)
自然界に広く分布している代表的なカビの一種です。発酵食品の醸造に使用される菌としても知られており、色味は菌種によって様々です。
人間の生活環境の中では、食品やホコリに発生しやすい身近なカビ菌であるコウジカビ。エアコン内部に蓄積したホコリを養分として増殖するカビの一種です。
学名 | アスペルギルス |
色・形 | 黒、茶、青緑、黄土色など |
室内成育環境 | 食品、ホコリの中など |
白カビ(トリコスポロン)
高温多湿を好むカビ菌の一種です。浴室や結露ができる窓際など、主に木材を好んで発生・増殖します。白っぽい色味から、白カビと呼ばれるトリコスポロン。
木造の古民家などで、比較的目にしやすいカビ菌の一種です。胞子が浮遊しやすく、体内に侵入しやすい特徴を持っています。
学名 | トリコスポロン |
色・形 | 白 |
室内成育環境 | 湿度の高い場所にある木材など |
青カビ(ペニシリウム)
主に食品から検出されることの多いペニシリウム。特徴的な形状の集落(コロニー)を形成し、青や緑色に近い色味を有しています。
乳製品や穀物類に発生・増殖するカビ菌ですが、他種のカビ菌と同様にホコリを養分とするため、エアコン内部に発生する可能性も否定できません。
学名 | ペニシリウム |
色・形 | 青や緑色、ビロード状の円形集落 |
室内成育環境 | 食品、ホコリの中、畳など |
エアコン吹き出し口のカビがもたらす健康被害
エアコンの吹き出し口に発生するカビは、放置しておくことで様々な健康被害を誘発する懸念があります。以下に、カビが原因となって発症する代表的な病気をまとめました。
アレルギー性鼻炎
カビが原因の一つとなって引き起こされる代表的な症状です。室内に滞留しているカビ菌に反応して起こるアレルギー症状であり、鼻水や鼻詰まり、咳や湿疹など、個人の体質により様々な症状が発生します。
夏型過敏性肺炎
白カビ(トリコスポロン)が原因となって起こる肺炎です。空気中に浮遊している白カビの胞子を吸い込んで発症します。
罹患した際には、しつこい咳や息切れ、微熱や継続的な倦怠感などの症状が伴います。エアコンが原因となることが多く、エアコンを使用している時期にのみ症状が現れる点が特徴的です。
気管支肺アスペルギルス症
コウジカビ(アスペルギルス)が原因となって起こる感染症です。コウジカビは呼吸により少なからず体内に侵入していますが、免疫力が低下している場合などにアスペルギルス症に進行する可能性があります。
咳や痰など喘息のような症状が見られ、気管支に拡張が見られる症例もあります。
シックビル・シックハウス症候群
建物内に空気汚染物質が蔓延し、人体の要所に特定の刺激症状を発症する疾患です。汚染物質は多岐にわたり、一酸化炭素、窒素酸化物などが挙げられますが、カビの繁殖も大きな原因の一つです。
鼻水や頭痛、喉の乾燥など、具体的な症状は人によって様々です。同じ環境にあっても症状が異なる場合や、まるで影響を受けない人もいます。
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エアコン吹き出し口のカビを自力で掃除する方法
エアコンの吹き出し口に蓄積したカビは、できるだけ早く除去すべきです。自分自身で実践可能な掃除方法をご紹介します。
吹き出し口や周辺
吹き出し口にこびりついたカビの除去には、ウェットティッシュがおすすめです。軽度のカビや汚れであれば、問題なく拭き取れるでしょう。
ウェットティッシュがない場合は、水やお湯、中性洗剤を含ませたタオルや雑巾を使用しても問題ありません。
手の届かない吹き出し口の狭い隙間などには、お掃除棒(割り箸などにウエットティッシュを巻き付けた即席の掃除道具)を使用すると良いでしょう。
床
掃除によって落下したカビの胞子は、床にも散乱しています。除菌スプレーやエタノールを希釈したものを吹きかけ数十分放置し、サッと拭き取りましょう。フローリングにも畳にも有効です。
表面の水分を拭き取っても、水分は床の内部に浸透しています。掃除の後には、忘れずに部屋全体の換気を行ってください。
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エアコン吹き出し口のカビを自力掃除する際の注意点
エアコン吹き出し口のカビを自力で掃除する際には、知っておかなければならない注意点があります。最低限押さえておきたい4つについて、簡単にまとめました。
仕上げには除菌が必須
ウェットティッシュや中性洗剤を用いてカビや汚れを拭き取った後には、必ず除菌を行ってください。表面上は衛生的に見えていても、カビ菌は取り切れていません。吹き出し口に残ったカビはまた増殖します。
除菌には床掃除の際と同様に、除菌スプレーや消毒用エタノールを使用してください。除菌の前に、吹き出し口表面の水分は取り除きましょう。
掃除機や塩素系洗剤の使用は厳禁
床掃除の際、掃除機や塩素系洗剤の使用は厳禁です。掃除機は、床に落ちたカビの胞子を部屋中に撒き散らします。
また、塩素系洗剤はフローリングや畳の素材を痛めてしまうばかりか、変色のリスクも伴います。賃貸物件の場合は、特に注意してください。
掃除は吹き出し口・エアコン表面・フィルターに留める
自力で可能なエアコンの掃除範囲は限られています。自力掃除は、吹き出し口・エアコンの表面・フィルターの3箇所に留めておきましょう。
また、カビや汚れがひどい場合にも、無理な掃除はおすすめできません。自力掃除は軽度の汚れを除去する場合にのみ有効な手段です。
自力掃除のリスク
強引な自力掃除は様々なリスクを孕んでいます。エアコン本体の故障や部品の破損、無理な掃除による事故や怪我の危険性もあるでしょう。
無理な掃除が原因となり、無駄な費用が必要になってしまうかもしれません。自力掃除は、くれぐれも無理のない範囲で行いましょう。
エアコン吹き出し口のカビ増殖を予防する方法
エアコン内部のカビは、日々蓄積していきます。カビの発生や増殖を防ぐために、効果的な予防策を実践しましょう。
こまめな掃除
こまめ掃除は欠かせません。カビを予防するためには、カビ菌自体もさる事ながら、カビの養分となるホコリなどの汚れを溜め込まない意識が重要です。
エアコンの内部や床の掃除を定期的に行い、室内全体を清潔に保ちましょう。
室内の換気
玄関や窓を開けて、室内の換気を行ってください。換気により、室内に溜まった湿気や舞い散ったカビの胞子を除去できます。
換気は最も手軽にできる効果的な予防策です。掃除の時間が取れない時には、換気だけでも忘れずに実践しましょう。
エアコン内部の湿気除去
エアコン内部の湿気は、部屋の換気のみで除去することができません。エアコンカバーやフィルターを取り外し、外気に晒してください。
また、エアコンの送風機能を使用する方法も有効です。送風により、エアコン内部に溜まっている湿気を取り除きましょう。
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エアコン吹き出し口のカビをしっかり除去するなら専門業者へ
カビの予防や自力掃除を実践していても、カビの発生や増殖を完璧に防ぐことはできません。カビは少しでも残っていればしつこく増殖します。
本格的にエアコン内部のカビ掃除を検討するならば、エアコン掃除の専門業者に依頼する方法がおすすめです。
エアコン掃除の専門業者は、カビをはじめとする汚れ全般を丁寧に除去できます。吹き出し口だけではなく、エアコン内部を構成する個別の部品それぞれのクリーニングや洗浄も請け負ってくれます。
全国に点在するエアコン掃除専門業者への依頼は、各業者の公式HPから可能です。エアコンのカビが気になる際には、お住まいの地域にあるエアコン掃除専門業者に相談してみてはいかがでしょうか?
エアコン吹き出し口のカビはどうする?【原因や人体に与える影響を解説】のよくある質問
-
Q. エアコンの吹き出し口が黒いのはなぜですか?
A.エアコン吹き出し口の黒い汚れは、カビである可能性が高いでしょう。吹き出し口は、常にカビがたまりやすい環境です。 -
Q. エアコン吹き出し口のカビの取り方を教えてください。
A.ウエットティッシュや中性洗剤を含ませたタオルなどで拭き取りましょう。仕上げに、忘れず除菌してください。 -
Q. エアコンがカビだらけ……どうしたらいいですか?
A.カビの量が多い場合、自力での清掃は危険です。エアコン掃除の専門業者に依頼しましょう。
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